登園を拒否する子ども

 

適切な幼児教育は後の
人間形成において大変重
要であると考えています
が注意していただきたい
ことがあります。
幼児教育は完璧な育児や
教育を推奨するものでは
ないということです。


 ・愛情が第一を忘れない
 ・他の子どもと比較をしない
 ・完璧主義にならない
 ・結果を期待しすぎない
 ・ゆったりとした心を持つ
 子どもへの過剰な期待は
 親子共に大きなストレス
 になる可能性があります。
 ゆったりと構え、少しくら
 い上手くいかなくても
 「まぁ、いっか。」
 位に考えられることが幼
 児教育を続けられるポイ
 ントになります。 

登園を拒否する子ども  はやし浩司先生の子どもの問題・悩みQ&A

はやし浩司先生●幼稚園、登園初日でつまずいて(?)、


子どもが、「幼稚園へ行きたくない」と
言っている。

「そのため、どうしたらよいか」という相談を、
N市にお住まいの、MKさんという方から
いただきました。

みなさんといっしょに、この問題を
考えてみたいと思います。

一部、文字化けしていましたので、
メールを要約させていただきます。

+++++++++++++++

【MKさんより、はやし浩司へ】

はじめまして。
よろしくお願いいたします。

アイルランドで出産し、子どもが2歳半の頃帰国しました。
4月から幼稚園に入れました。
初日、明るく涙もなく元気に手を振って登園しました。
帰ってきた時も、全部食べたお弁当を私に見せ、ありがとう! おいしかったよ!と、笑顔でし
た。

が、よく見ると、顔に大きな傷があり、お尻にも大きなあざがありました。
どうしたの?、と聞くと、ケンカをしたとのこと。

連絡帳にも何もないので園に電話して経緯を確認したところ、そのようなことがあったことも知
らず、その経緯もわからないとのことでした。

初日、雨で一日教室の中、約20名の年少組。
私としては、ケンカした怪我をしたという事ではなく、経緯がわからないほど、目が行き届かな
い?
初日で?、と、腑に落ちませんでした。

息子は、明日も幼稚園楽しみだと主人にも話していたのですが、ベッドで明かりを消した途端、
突然布団にもぐりシクシク泣き出しました。
どうしたの?、と聞くと「本当は幼稚園に行きたくない!」と泣きだしました。
初めて私から離れ、新しい経験をしてきたのだからと思い、「偉かったね。頑張ったね」と抱っ
こしましたが、行きたくないと、何度も訴えるので、何があったのか尋ねると、「逃げるところも、
隠れるところもないから、いやだ」と。

ふだんは、しっかりしていて手のかからない子です。
幼稚園のほうからは、「ただ、誰かに叩かれたとか、泣いて痛いと言って訴えてこないのでわか
りませんでした」と言われました。
納得がいかず、私のほうでは、すっかり不信感がつのるばかりでした。
その夜に今までした事がない夜鳴きがあり、歯ぎしりを始めました。
次の日も、行きたくないと泣き喚きバスに乗れないので、園まで送りましたが、無理矢理引き離
される状態でした。

悩みましたが、その後すぐにそこを辞めました。しばらくの間、情緒不安定が見られました。
2歳から通っていた、ほかの教室でも活発で他の子の手を取っていくようだったですが、今は、
私にべったりくっつき、前に出ていかなくなってしまいました。
まだ私と離れる事に強い抵抗を示しますが、やっと落ち着き少しずつ以前と同じように戻ってき
ました。

お友達と遊ぶ環境は必要だと思っています。
他の幼稚園を探していますが、年内に早くから入れたほうがいいか、2年保育にして、来年か
らが良いか迷っています。
息子はずっと幼稚園は行きたくない、ママと一緒にいると言い張っています。
母子分離ができていないのかとも思いますが、私に来ないでと言い、一人でお使いに行ったり
もします。
甘えているだけなのでしょうか?

4月には私もすっかり疲れきってしまいましたが、今、入園時期、また幼稚園選びでまた悩んで
います。

息子に対する接し方も含め、良きアドバイスがありましたら、よろしくお願いいたします。

【はやし浩司より、MKさんへ】

入園初日に、集団(対人)恐怖症になる子どもは、珍しくありません。
幼児どうしの世界は、動物園でいえば、猿の世界のようなものです。
とくにそれまで、(ものわかりのよい世界)に住んでいた子どもほど、そのショックは、大きいと
お考えください。

MKさんのお子さんは、そのショックが高じて、恐怖症になったと考えられます。
分離不安との大きなちがいは、分離不安のばあいには、親の姿が見えなくなったとたん、パニ
ック(錯乱)状態になるところです。
「ギャーッ」と泣き叫んで、親のあとをおいかけたりします。

「恐怖症」については、あちこちで書いてきましたので、「はやし浩司 恐怖症」で検索してみてく
ださい。

子どもの恐怖症は、(1)「それを忘れさせる環境に置く」が、鉄則です。
説教したり、諭しても、無駄です。
今の状況からすると、(2)しばらく集団教育からは遠ざかり、のんびりさせることが最善かと思
います。

そして様子を見て、(3)小さな集団があれば、少しずつ慣れさせる目的で、その中で遊ばせた
りします。
このばあいも、(4)けっして、無理をしないが、鉄則です。

私の教室でも、半年近く、机の下でレッスンをしていた子ども(当時、年中児)がいました。
その子どもは、いつも机の脚にしがみついていました。
それを「悪いこと」と決めてかかるのではなく、「そういうレッスンの受け方もある」という前提で、
接してあげます。

またこれは日本の幼児教育の最大の欠陥と言ってもよいかもしれませんが、この日本では、
(集団教育)を重んじるあまり、(個)の尊重を軽んじる傾向があります。
「集団になじめない子ども」イコール、「問題児」と、です。
ですから幼稚園を休んだりすると、幼稚園の先生は、よくこう言いますね。
「遅れますから、よこしてください」と。

「遅れる?」「後れる?」……いやな言葉ですね。

どちらでもよいですが、何から、遅れるというのでしょうか?

アイルランドからお帰りということですから、このあたりのことは、MKさんも、すでに感じておら
れることと思います。

オーストラリアでは、そのため、とくにはじめて集団教育を受ける幼児などは、月・水・金の週3
回というところが多いです。
またアメリカでは、プリ・スクールは、子どもにとくに慎重に対処しています。
(そのため、700〜900ドル/月額と、月謝も高額ですが……。)

この問題は、「どこの幼稚園にするか」ではなく、
集団恐怖症の子どもを、どう、集団に慣れさせていくかという問題です。

一度、集団から離れて、2年保育でじゅうぶんですから、それまでに、少しずつ、集団に慣れさ
せていくという方法をとってみられたら、いかがでしょうか。

幼稚園の園長にていねいに相談すれば、ときどき、園の中で遊ばせてくれるはずです。
コツは、「子どもの恐怖症を軽くみない」です。
中には、「気のせいだ」「わがままだ」「甘えだ」と、強引なやり方を試みる人もいますが、そうい
う方法では、かえって、子どもの心をこじらせてしまいます。
(私自身が、いくつかの恐怖症をかかえていますから、子どもの気持ちがよくわかります。)

ま、この時期は、何かと親のほうも、神経質になりがちです。
「不信」などと、大げさに構えないで、もう少し肩の力を抜いたほうが、よいかと思います。
幼稚園の教師の忙しさは、それを経験したものでないとわからないでしょう。
まるで戦場です。
20人でも、多すぎるほどです。
 


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情報・画像の出展:はやし浩司先生

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