臨界期(クリティカル・ピリオド)

 

適切な幼児教育は後の
人間形成において大変重
要であると考えています
が注意していただきたい
ことがあります。
幼児教育は完璧な育児や
教育を推奨するものでは
ないということです。


 ・愛情が第一を忘れない
 ・他の子どもと比較をしない
 ・完璧主義にならない
 ・結果を期待しすぎない
 ・ゆったりとした心を持つ
 子どもへの過剰な期待は
 親子共に大きなストレス
 になる可能性があります。
 ゆったりと構え、少しくら
 い上手くいかなくても
 「まぁ、いっか。」
 位に考えられることが幼
 児教育を続けられるポイ
 ントになります。 

臨界期(クリティカル・ピリオド)    T.O.E.メソッド理論編

3歳までが肝心という理由はもう一つあります。
お母さんの体内で生命の30億年の歴史を僅か十月十日で一気に駆け抜けてくる赤ちゃん。
その神秘的な仕組みには一体どのような意味があるのでしょう。

例えば鹿や馬の赤ちゃんは生まれて数時間でもう自分の足で立ち上がります。
しかしながら鹿や馬などは生後の個体差の成長ぶりにさほど大きな発達の差は見られません。
そのように「ほぼ完成されて生まれてくる動物」は、外敵に対してすぐに対応出来るという条件と交換に「生後の可能性の余地」を削っていると言えます。

それに対して人間の赤ちゃんはどうでしょう?
成人の機能と比べて、あまりにも無力な状態で生まれてきます。
つまり「まだ動物学的な意味ではヒトまで完全に進化しきっていない」と考えるべきなのです。。
もちろん、ヒトの子ですからヒトとしてのすべての条件を備えて誕生してきているのはもちろんなのですが、ここで言いたいのは「胎内での30億年の進化」をまだ終えずに途中で生まれてきているのではないか?という事です。


それを明確に語っているのが、スイスの動物学者アドルフ・ポルトマンの「人類生理的早産説」です。A・ポルトマンは人類は生物としての適切な時期よりも約1年早く未熟児の状態で生まれてくる。としています。

その一つの理由は、ヒトの前頭葉があまりに大きくなりすぎて、完全に成熟してからでは産道を通れないからです。
もう一つの最も重要な理由は、出産後の発達成長の可能性を出来るだけ多く確保する為です。

ヒトが作り上げた社会のシステム・言語のシステムというものはあまりに高度で複雑すぎますから、ヒトが外部社会に適応するには「胎内での発達の完成度」よりも、できるだけ能力・素質が固まっていない未熟な状態(出産後に新たな知識・行動を柔軟に習得できる状態)で産まれるほうが都合が良かったのでしょう。

赤ちゃんが無力で弱々しそうに見える状態で生まれてくる本当の理由は先天的・遺伝的な規定性の影響力をできるだけ小さく留め、後天的・経験的な学習の可能性を最大化するための人類という種族に備わった神秘的な生命発達の工夫だったのではないでしょうか。

ですから、赤ちゃんのこの時期をただ何となくの保育のみで過ごすのは、せっかく大自然の法則が人類に与えてくれた素晴しい可能性を無駄に潰してしまう事に他ならないのです。
では新生児の脳がどのように豊かな能力を獲得していくのか、その進化の道筋をグレン・ドーマンの仮説で見ていきましょう。


進化の途中で生まれてくる赤ちゃんの脳は未だ脊椎動物のもっとも原始的な生命ある魚類の脳部分に発達余地を残しています。つまりそれが延髄と脊髄です。

この段階が生後0ヶ月から1ヶ月までの新生児の時期です。
この時期には通常、反射による反応しかみられませんが、実はこの反射を利用して赤ちゃんの能力を大きく伸ばすことが可能なのです。

我が子もこの時期にズリ這いで産院の大人用ベッドをグルグルと3周する事が出来ました。
胎教の成果によるものなのか把握反射は生後すぐに消えかけていました。産院ではまさかそんな事とは考えるはずもなく単純に把握反射の弱い赤ちゃんとして記録された事でしょう。

しかし私だけしか知りませんが、我が子は生後3時間でグー・パーと自分の意志で自在に手を強く握ったり開いたりしたのです。
この時期、赤ちゃんは反射を利用して数多くの事柄を学び、シナプス回路を増やして、次の脳橋のレベルへと進化を遂げていきます。

次の進化の脳橋は両棲類の脳と言えるでしょうか。お腹を床につけた姿勢で体を前に押し出すことを覚えます。(相同パターン)初めて自分の意志でA地点からB地点へと移動できるようになったのです。
適切な働きかけさえすれば赤ちゃんはこの時期に完全に自分の体重を握力のみで支え母親の親指に数秒間ぶらさがっていられるようになります。

中脳の領域は爬虫類の脳です。お腹を床につけた手と膝による腹ばいから、手と膝に力を入れて体を持ち上げ、右手と左足、左手と右足が共にでる交差パターンの高這いが出来るようになります。まっとうな環境さえ与えられていれば一般的な育児でも平均7ヶ月で出現する能力です。

子どもの発達を見極めたより適切な働きかけが行われていれば3〜4ヶ月での到達も可能です。
我が家の長男は7ヶ月、長女は4ヶ月で交差パターンの高這いが完成しました。
現在の日本では10ヶ月になっても未だ高這いところか腹ばいも充分に出来ない赤ちゃんがたくさんおります。そして「ハイハイせずに歩いてもまったく問題ない。大丈夫」という何の根拠もない発言を多くの育児専門家と呼ばれる人々が口にしています。何を基準にして「大丈夫」と言えるのでしょう?  

そりゃあ、その子が一生成績表で言えばオール3、オールB、特別優れた能力もなく、3流程度の大学に入って小規模な会社に就職して・・・何もかも平均的な能力の人生で構わない・・・というならばこの時期ハイハイしなくても「大丈夫」かもしれませんが。
0歳からそんな人生を親や他人が想定するのはちょっと早すぎませんか?

生命進化のまっとうなみちすじを通らないのは生物としてどう考えても不自然です。
もしあなたの赤ちゃんがまだハイハイしていなかったら、どうぞ今すぐもっともっと運動の機会を与えるべきだ、とお考え下さい。(具体的な働きかけは後述します)

ようやく哺乳類の脳に到達しました。大脳発生期皮質は猿などに近い脳です。
よちよちながらも二本の足で歩行を始める時期がきました。まだ腕をバランスを取る手段にしています。歩くとき腕は肩の高さかそれ以上にある事がほとんどです。
手指の機能も発達し、手全体でモノを掴むのではなく細いものを親指と人差し指の腹でつまめるようになります。

そしてついに大脳原始皮質。ついにヒトは人類と呼ばれるところまで到達しました。猿とは明らかに違った猿人時代の脳です。
この段階で子どもは腕を主要なバランスの手段としないで歩くようになります。
でんぐり返り(前転)やいもむしゴロゴロ(横転)も出来るようになります。

ここまでに適切な働きかけさえしていれば、うんていの指導にチャレンジする事すら可能になるのです。
我が子達は1歳半頃に独力で前転や横転して「ずいぶん成長が早い」と言われたものですが、ドーマンの成長段階プロファイルではこの能力はちょうど1歳半が普通の子どもの平均値です。
私達は赤ちゃんを取り巻く運動の環境について、本当に深刻に考えなくてはならない時期にきていると痛切に思います。

次が大脳初期皮質。原始的な初期の時代、ヒトの脳に備わっていた機能です。完全な交差パターンで歩き、走る事が出来ます。単語2000語と簡単な文を理解します。高度な役割を片方の手に与えながら両手を使うことが出来ます。この能力は平均的に3歳の頃出現します。
そして最後に大脳成熟皮質。現代人の脳へと成長します。平均的には6歳頃この領域に入ります。そして7歳頃にこの胎児期からの脳の進化は一つの終わりを迎えるようです。

この脳が豊かに育つ可能性を残して、生物学的な「ヒト」としては未熟な状態で生まれてきた人間の赤ちゃんは人生最初の6年間の間にどのように脳機能を豊かに育てたか?で、その後の基本能力が決定される、と言われています。
鹿の赤ちゃんが生まれてすぐに歩くように、自分が生まれた本来の生物としての機能を完成させた状態。(多くの動物はその状態に達してから生まれてきますが)。
そこに人間の子どもが到達するのがほぼ6歳なのです。

ですから大脳成熟皮質領域の機能への到達が3歳に近ければ近いほど、あなたのお子さんは将来様々な学習を短時間で苦もなく覚えられるでしょう。平均的な子どもが脳の成長の為に費やす84ヶ月までのあいだ、時間をたっぷり使うことが出来るのですから。
(もちろん成熟皮質に36ヶ月で到達しても、その後の4年間をただ無駄に使ってしまっては台無しですよ)

成熟皮質への到達が6歳頃ならば、運動一つとっても将来何かよほどの必要性によって登山やスカイダイビングなど平均的な運動以上のものをするようにならない限りお子さんの能力は平均以上にはならないでしょう。(もちろん大変な努力をすれば一流の能力を磨くことは可能ですが、より早い時期に成熟皮質に到達した人よりも数倍の苦労と困難を必要とする、という事です)

成熟皮質への到達が12歳に近いものであるならば・・・
子どもに望まれるヒトとして必要な機能が未完成のまま人生最初の6年目を終えることになります。するとお子さんは体の動きがぎこちなく不器用気味になる事でしょう。新しい物事の習得には苦労し時間もかかり、かなりの決意で望んでもそこそこの上達に留まるでしょう。学習嫌いやスポーツ嫌いになるかもしれません。

ここに2回の決定的な時期が出てきました。
一つは3歳頃。原始的な生命の機能を司る大脳古皮質の発達からヒトとしての新しい段階である大脳新皮質の発達に転換する頃です。

生後爆発的に増え続けてきたシナプスネットワークの増加も緩やかになってきます。
もう一つは6歳頃。人類としての脳がすっかり完成し、大人とほぼ変わらない働きをするようになった時期です。
ですから大脳古皮質の発達にダイレクトに働きかけられる3歳まで、それと、人類の脳として生存に必要な能力を獲得する奇跡的な期間である6歳まで、それまでに習得しないともうその後は決して習得する事の出来ない能力が幾つもあります。
それでこの「各能力を獲得する為の限界時期」を臨界期(クリティカル・ピリオド)と呼びます。


次ページ→4・臨界期(クリティカル・ピリオド)2



1・脳とシナプスの成長 2・脳とシナプスの成長2 3・臨界期(クリティカル・ピリオド)
4・臨界期(クリティカル・ピリオド)2 5・潜在意識と顕在意識 6・ヒトという生物が歩む正しいみちすじ
7・各発達段階で心がけたい事と気をつけたい事 8・転動的推理(前概念的推理) 9・直観的思考
10・具体的操作の段階 11・月齢の目安が比較と不安を生む 12・夜泣き
13・夜泣き2
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所在地
横浜市都筑区中川中央1-34-9 YSビル2F


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