思考力

 

子ども達の思考力について


思考力を育てる


現在の日本における教育は、「教える(与える)教育」が主流になっています。
「教える(与える)教育」は学習の基礎を育てる教育ですが、教師から教えられた内容をただ正確に覚えることが重要になってしまい、自ら発見し、自ら考えるという大切な部分が見落とされがちになってしまいます。

学力の基礎を育てるには適した教育ではありますが、子ども達が成長する基礎を育てているとは言えない気がします。

学力の基礎を広げることで応用が利くという教育の考え方であるように思いますが、子ども達の内側から湧き出るエネルギーは削ぎとられてしまうように感じます。

世界の教育や幼児教育法を見ると、子ども達が自ら問題を発見したり、その問題について自ら考え、解決していくといった方法を多く採用していることが分かります。

日本でも有名な塾や教育法の中にはこの子ども達が「自ら学ぶ(考える)教育」・PISA型教育を行っているところもあるようですが、まだまだ少数派です。

ただ、どちらが良い教育法なのかを比べても正直なところ答えは出ません。
根本的に考え方が異なり、教育の先に何を求めているのかでも捉え方は様々だからです。

思考力=考える力ですので、やはり「教える(与える)教育」では思考力は育ちにくいのではないでしょうか?


19世紀にエドヴァルト・セギンという教育者が「セギンの3段階」という学習法を考案しました。

内容は、子ども達が自らの思考力を持って物事を捉えられるようにと、ものの名前を3段階に分けて教えるといった簡単な方法です。

例えば、
第1段階として、「ボール」という名称を教える時、まず「これはボールです。」と教えます。

第2段階として、ボールの他にグローブとバットの3点を並べ、「どれがボールですか?」と聞きます。

第3段階として、ボールを持ち、「これは何ですか?」と聞きます。


答えとなる名称をただ教えるだけでなく、自ら答えを探し出せるように誘導させる方法です。
自ら答えを導き出すことは、ただ答えを教えられるよりも数段身に付きます。

これは単にインプットからアウトプットに導くための例ですので、思考力という点では若干異なる部分はありますが、ただ答えを教えるのではなく、子ども達が自分で答えを導き出せるように誘導してあげることは大変良い方法だと思います。


幼少期より考える力を育ててあげることで、後の成長にも大きな意味を持ってきます。

最近の早期教育・幼児教育の中で、一昔の詰め込み教育にも近い「与える教育」を推奨しているところもあるようですが、あまり賛成はできません。
幼児期では、高い知識を持ったり、難しい算数を解いてみたりできる子どももみられますが、自ら発見したり、問題を解決する能力が育ちにくく、成長段階の中で伸び悩んでしまう子ども達も多くみられるようになってきているようですので注意が必要です。

幼児が物事に興味を持つ時、何も知らないものよりも、少し知っているものに興味を持ちやすくなります。しかし、「もう知っている」と感じるものには興味を示しにくくなります。


極度の「与える教育」では、体験で獲得していないにも関わらず、あたかも「もうそれは知っている」という錯覚を起こしてしまい、様々な物事に対しての知的好奇心が薄れてしまうという弊害さえ考えられます。

思考力は子ども達の内側から湧き出るエネルギーから得られます。
そのエネルギーを削ぎ採るような教育は避けていただきたいです。

幼児期は「知識を高める時期ではない」と考えています。
様々な体験から、問題を発見(なぜ?なに?)したり、調べたり、解決できるように考えたりすることが重要です。

思考力が育たなければ、後の成長の中で必ず躓いてしまいます。

教え込むのではなく、子ども達が自ら問題を発見し、その問題を自分で解決できるように誘導してあげることで、大切な思考力を育てることができます。

是非皆さんも是非考えてみてください。




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