「慈善は家庭から」 はやし浩司先生の育児・教育指導
『慈善は家庭から』。これはイギリスの格言。
「善良な人になるための心の基本は家庭でできる」という意味だが、子どもは「絶対的な安心感のある家庭」の中でこそ、心をはぐくむことができる。
「絶対的」というのは、不安感や疑いを抱かないという意味。
子どもというのは、転勤や転校のような環境の変化など、物理的な変化にはたいへんタフな適応能力をみせる。が、心、とくに愛情がからんだ変化にはたいへんもろい。
もろいだけならまだしも、愛情がからんだ変化は子どもの心に大きな影響を与える。
たとえば離婚。離婚そのものは子どもにはほとんど影響はないとみてよい。
離婚が離婚として子どもに影響を与えるのは、離婚にいたるまでの家庭不和、家庭騒動である。
離婚するとしても、子どもの前での騒動は最小限にする。
一方、子どものやさしさ、思いやる心、いつくしむ心というのは、愛情豊かで、心穏やかな環境ではぐくまれる。それがよいか悪いかということはさておき、(あまり好ましくないのは言うまでもないが)、親の愛情をたっぷりと受けて育ったような溺愛児は、柔和で心も穏やか。
それにたいへんやさしい。
反対に生まれてまもなくから施設などに預けられた子どもは、愛情飢餓(きが)の状態におかれ、独特の症状を示す。
だれにも愛想がよい反面、他人に心を許さない。
許さない分だけ、孤立感が強く、情緒的に不安定になるなど。
ほかに知育の発達が遅れがちになるとか、貧乏ゆすりなどの症状がつきやすいことを指摘する学者もいる(長畑氏ほか)。さらに親の育児拒否や虐待を経験した子どもは、心の発達そのものが阻害されることが知られている。
要するに子どもを心豊かな子どもにしたかったら、子どもは温かい家庭で包む。
同じイギリスの格言に、「子どもを幸せにするのが、最高の教育」というのがある。
「幸せ」の中身も問題だが、「幸せな家庭」がどういうものであるかをいつも考えながら、そういう家庭づくりを考える。
それが本当の意味で「よい子」を育てるための、必要条件ということになる。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー4
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。