「過関心は心をつぶす」 はやし浩司先生の育児・教育指導
親が自分の子どもに関心をもつのは当然のことだが、それが度を超すと、過関心になる。その過関心、とくに神経質な過関心は、子どもの心をつぶす。
私は私の授業を例外なく、公開している。
そういう中でも、ときに親の視線が強すぎて授業そのものがやりにくく感ずることがある。「強い」というより、「刺すような」視線である。
それがピリピリと伝わってくる。
そこでそれとなくその親の方をみるのだが、表情を見る限り、とくに緊張している様子はない。柔和な笑顔を浮かべていることさえある。しかし視線だけが、異常に強い……!
親の過関心が日常的につづくと、子どもの心は内閉したり、さらにそれが進むと萎縮したりする。(反対に粗放化する子どももいる。
このタイプの子どもは、親の過関心をはね返した子どもとみる。)子どもらしいハツラツとした表情が消え、顔もどんよりと曇ってくる。また自分で考えて行動することができなくなるため、外の世界では、常識ハズレな行動をしやすい。
バスの窓から体を乗り出してみせた子ども(小4男児)や、先生のコップに、殺虫剤を入れた子ども(中1男子)がいた。が、そういう事件を起こしても、親にはその自覚がない。
ないばかりか、かえって子どもを激しく叱ったりする。この悪循環が、子どもをますます悪い方向に追い込む。
実際、神経質な親は多い。
子どもの持ち物は言うにおよばず、机の中や携帯電話の中まで、こっそり調べたりする。
子ども部屋に監視カメラをつけている親だっている。
こうした親は、口では「私は子どもを愛しています」と言うが、その実、子どもを愛していない。
自分の心のすき間を埋めるために、子どもを利用しているだけ(失礼!)。
さらにその原因は何かと言えば、子どもを信じられないという不信感がある。
「うちの子は何をしても心配だ」という思いが転じて、過関心になる。
もちろん親自身の情緒的欠陥が原因となることもある。
このタイプの親は、うつ型タイプの人が多く、一度こまかいことを気にし始めると、そのことばかり気にするようになる。そしてささいなことを問題にしては、おおげさに騒ぐ……。
子どものことで、こまかいことが気になり始めたら、過関心を疑ってみる。
そしてもしそうなら、一度思い切って、子どものことは忘れ、子育てそのものから離れてみる。
方法はいくらでもある。サークルでも、ボランティアでも何でもすればよい。
自分のまわりに、子育てとは関係のない世界をもつ。そしてその結果として、子育てそのものから遠ざかる。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー4
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。