「こまかい指導は、子どもをつぶす」 はやし浩司先生の育児・教育指導
文字を覚えたての子どもは、親から見てもメチャメチャな文字を書く。
形や書き順は言うにおよばず、逆さ文字、鏡文字など。
このとき大切なことは、こまかい指導はしないこと。
日本人はとかく「型」にこだわりやすい。
トメ、ハネ、ハライがそれだが、今どき毛筆時代の名残をこうまでこだわらねばならない必要はない。……というようなことを書くと、「君は日本語がもつ美しさを否定するのか」と言う人が必ずいる。あるいは「はじめに書き順などをしっかりと覚えておかないと、あとからたいへん」と言う人がいる。
しかし文字の使命は、自分の意思を相手に伝えること。
「美しい」とか「美しくない」というのは、それは主観の問題でしかない。
また、これだけパソコンが発達してくると、書き順とは何か、そこまで考えてしまう。
10年ほど前、オーストラリアの小学校を訪れたときのこと。
壁に張られた作文を見て、私はびっくりした。スペルはもちろん、文法的におかしなものがいっぱいあった。
そこで私がそのクラスの先生(小3担当)に、「なおさないのですか」と聞くと、その先生はこう言った。
「シェークスピアの時代から正しいスペルなんてものはないのです。
音が伝わればいいのです。またルール(文法)をきつく言うと、子どもたちは書く意欲をなくします」と。
私もときどき、親や祖父母から抗議を受ける。
「メチャメチャな文字に、丸をつけないでほしい。ちゃんとなおしてほしい」と。
しかしこの時期大切なことは、「文字はおもしろい」「文字は楽しい」という思いを子どもがもつこと。
そういう「思い」が、子どもを伸ばす原動力となる。
このタイプの親や祖父母は、エビでタイを釣る前に、そのエビを食べようとするもの。
現に今、「作文は大嫌い」という子どもはいても、「作文は大好き」という子どもは少ない。
よく日本のアニメは世界一というが、その背景に子どもたちの作文嫌いがあるとするなら、喜んでばかりはおれない。
ある程度文字を書けるようになったら、少しずつ機会をみて、なおすところはなおせばよい。
またそれでじゅうぶん間に合う。そういうおおらかさが子どもを勉強好きにする。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー3
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。