「子どもは水」 はやし浩司先生の育児・教育指導
私は幼児教育の世界に入って、まずしたことは、アンケート調査だった。
そのアンケート調査だけを、ただひたすら繰り返した。
で、その調査の中でも、最初にしたのが、つぎのような調査だった。
私は静かな住宅団地に住む子どもは静かで、街中の交通のはげしいところに住む子どもは騒々しいと思っていた。
それを証明したくて、調査をした。が、結果はハズレ。
住環境と子どもの静かさ、騒々しさはまったく関係がないことがわかった。
静かな環境に住んでいる子どもでも、騒々しい子どもはいくらでもいた。騒々しい環境に住んでいる子どもでも、静かな子どもはいくらでもいた。
子どもというのは、物理的な環境の変化、たとえば引っ越しなどによっては、ほとんど影響を受けない。
とくに満4・5歳までの子どもは、あたかも水のように自在に形を変えて、それぞれの環境に適応していく。
むしろ引っ越しなどは、子どもによい影響を与えることが知られている。
よく「転勤族の子どもは頭がいい」と言うが、それもその一つ。
そんなわけで、私は『子どもは水』という格言を考えた。が、子どもは、愛情の変化には、たいへん敏感に反応する。こんなことがあった。
俗にいうツッパリ症状というのがある。
目つきが鋭くなる、肩をいからせて歩く、ものの考え方が投げやりになり、言動が乱暴になるなど。
私が経験した中での最年少は、小学一年生のI君だった。
彼は夏休みを境に、ここでいうツッパリ症状が出てきた。
そこで母親に聞くと、母親は「思い当たることはありません」と。
そこでさらに調べてみると、こういうことだった。
それまでI君は、両親の間で、「川」の字になって寝ていた。
が、夏休みに入って子ども部屋ができ、I君はそこでひとりで寝ることになった。
I君はI君なりに、親の愛情が変化を感じたのかもしれない。
私がそれを指摘すると、母親は「そんなことで!」と言ったが、もとのようにまた床を移すと、ツッパリ症状もウソのように消えた。
家庭騒動、離婚騒動など、子どもの側からみて愛情の変化と見られるような行動は、慎重にするにこしたことはない。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー3
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。