「子育ては子離れ」 はやし浩司先生の育児・教育指導
子育てを考えたら、その一方で同時に、子離れを考える。
「育ててやろう」と考えたら、その一方で同時に、「どうやって手を抜くか」を考える。
そのバランスよさが子どもを自立させる。こんなことがあった。
帰りのしたくの時間になっても、D君(年中児)はそのまま立っているだけ。
机の上のものをしまうようにと指示するのだが、「しまう」という言葉の意味すら理解できない。
そこであれこれ手振り身振りでそれを示すと、D君はそのうちメソメソと泣き出してしまった。
多分そうすれば、家ではだれかが助けてくれるのだろう。が、運の悪いことに、その日はたまたま母親がD君を迎えにきていた。
D君の泣き声を聞くと教室へ飛び込んできて、私にこう言った。
「どうしてうちの子を泣かすのですか!」と。
このタイプの親は、子どもの世話をするのを生きがいにしている。
あるいは手をかけることが、親の愛の証(あかし)と誤解している。
しかし親が子どもに手をかければかけるほど、子どもはひ弱になる。
俗にいう「温室育ち」になり、「外に出すとすぐ風邪をひく」。特徴としては、
(1)人格の「核」形成が遅れる。
ふつう子どもというのは、その年齢になるとその年齢にふさわしい「つかみどころ」ができてくる。
しかしそのつかみどころがなく、教える側からすると、どういう子どもなのかわかりにくい。
(2)依存心が強くなる。
何かにつけて人に頼るようになる。自分で判断して、自分で行動をとれなくなる。
先日も新聞の投書欄で、「就職先がないのは、社会の責任だ」と書いていた大学生がいた。
そういうものの考え方をするようになる。
(3)精神的にもろくなる。
ちょっとしたことでキズついたり、いじけたり、くじけたりしやすくなる。
(4)全体に柔和でやさしく、「いい子」という印象を与えるが、同時に子どもから本来人間がもっているはずの野生臭が消える。
人間の世界を生き抜くためには、ある程度のたくましさが必要である。
たとえばモチまきのとき、ぼんやりと突っ立っていては、モチは拾えない。生きていくときも、そうだ。
そのたくましさを、どうやって子どもに身につけさせるかも、子育てでは重要なポイントとなる。
もしあなたの子どもが、先のD君のようであるなら、つぎのような格言が役にたつ。
「何でも半分」……子どもにしてあげることは、何でも半分にして、それですます。
靴下でも片方だけはかせて、もう片方は自分ではかせる。あるいは服でも途中まで着させて、あとは子どもに任す、など。
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。