「子どもを知る」 はやし浩司先生の育児・教育指導
「己の子どもを知るは賢い父親だ」と言ったのはシェークスピア(「ベニスの商人」)だが、それくらい自分の子どものことを知るのは難しい。
親というのは、どうしても自分の子どもを欲目で見る。あるいは悪い部分を見ない。
「人、その子の悪を知ることなし」(「大学」)というのがそれだが、こうした親の目は、えてして子どもの本当の姿を見誤る。いろいろなことがあった。
ある子ども(小6男児)が、祭で酒を飲んでいて補導された。
親は「誘われただけ」と、がんばっていたが、調べてみると、その子どもが主犯格だった。
ある夜1人の父親が、A君(中1)の家に怒鳴り込んできた。
「お宅の子どものせいで、うちの子が不登校児になってしまった」と。
A君の父親は、「そんなはずはない」とがんばったが、A君は学校でもいじめグループの中心にいた、などなど。
こうした例は、本当に多い。
子どもの姿を正しくとらえることは難しいが、子どもの学力となると、さらに難しい。
たいていの親は、「うちの子はやればできるはず」と思っている。
たとえ成績が悪くても、「勉強の量が少なかっただけ」とか「調子が悪かっただけ」と。
そう思いたい気持ちはよくわかるが、しかしそう思ったら、「やってここまで」と思いなおす。
子どものばあい、(やる・やらない)も力のうち。子どもを疑えというわけではないが、親の過剰期待ほど、子どもを苦しめるものはない。そこで子どもの学力は、つぎのようにして判断する。
子どもの学校生活には、ほとんど心配しない。いつも安心して子どもに任せているというのであれば、あなたの子どもはかなり優秀な子どもとみてよい。
しかしいつも何か心配で、不安がつきまとうというのであれば、あなたの子どもは、その程度の子ども(失礼!)とみる。
そしてもし後者のようであれば、できるだけ子どもの力を認め、それを受け入れる。早ければ早いほどよい。
そうでないと、(無理を強いる)→(ますます学力がさがる)の悪循環の中で、子どもの成績はますますさがる
要するに「あきらめる」ということだが、不思議なことにあきらめると、それまで見えていなかった子どもの姿が見えるようになる。シェークスピアがいう「賢い父親」というのは、そういう父親をいう。
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。