依存心と人格

 

「依存心と人格」 はやし浩司先生の育児・教育指導

 はやし浩司先生 依存心が強ければ強いほど、当然のことながら、子どもの自立は遅れる。

そしてその分、人格の「核」形成が遅れる。よく過保護児は子どもっぽいと言われるが、それはそういう理由による。


 人格というのは、ガケっぷちに立たされるような緊張感があって、はじめて完成する。
いわゆる温室のようなぬるま湯につかっていては、育たない。そういう意味では、依存心を助長するような甘い環境は、人格形成の大敵と考えてよい。


 で、その人格。わかりやすく言えば、「つかみどころ」をいう。
「この子どもはこういう子どもだ」という、「輪郭」と言ってもよい。よきにつけ、悪しきにつけ、人格の完成している子どもは、それがはっきりしている。

そうでない子どもは、どこかネチネチとし、つかみどころがない。「この子どもは何を考えているのかわからない」といった感じの子どもになる。


そのため教える側からすると、一見おとなしく従順で教えやすくみえるが、実際には教えにくい。
たとえば学習用のプリントを渡したとする。

そのとき輪郭のはっきりしている子どもは、「もうやりたくない。今日は疲れた」などと言う。
そう言いながら、自分の意思を相手に明確に伝えようとする。

しかし輪郭のはっきりしない子どもは、黙ってそれに従ったりする。従いながら、どこかで心をゆがめる。それが教育をむずかしくする。


 が、問題は、子どもというより、親にある。
設計図の違いといえばそれまでだが、依存心が強く、従順で服従的な子どもを「いい子」と考える親は多い。

つい先日も、私の教室をのぞき、「こんなヒドイ教室とは思いませんでした」と言った母親がいた。
見るとその母親がつれてきた子ども(小2男児)は、まるでハキがなく、見るからに精神そのものが萎縮しているといったふうだった。

表情も乏しく、皆がどっと笑うようなときでも、笑うことすらできなかった。


そういう子どもがよい子と信じている母親からみると、ワーワーと自己主張し、言いたいことを言っている子どもは、「ヒドイ」ということになる。私は思わず、「あなたの子育て観はまちがっている」と言いかけたが、やめた。親は、結局は自分で失敗してみるまで、それを失敗とは気づかない。それまでは私のような立場の人間がいくら指導しても、ムダ。しかも私の生徒ならまだしも、見学に来ただけだ。私にはそれ以上の責任はない。

 総じて言えば、日本人は自分の子どもに手をかけすぎ。そうした日本人独特の子育て法が、日本人の国民性にまで影響を与えている。が、それだけではない。日本人の考え方そのものにも影響を与えている。その一つが、日本人の「依存心」ということになる。


依存性の二つの側面 親は子で目立つ
赤ちゃん言葉 臥薪嘗胆(がしんしょうたん)
依存心と人格 親は外に大きく
心の風邪……いかにして「無」になるか 互いに別世界
自分を知る バカなフリをして、子どもを自立させる
NO’1〜NO’24 NO’73〜NO’96 NO’145〜NO’168
NO’25〜NO’48 NO’97〜NO’120 NO’169〜NO’192
NO’49〜NO’72 NO’121〜NO’144 NO’193〜NO’216
NO’217〜NO’240 NO’241〜NO’264 NO’265〜NO’282
NO’283〜NO’292


情報・画像の出展:はやし浩司先生

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【はやし浩司先生のプロフィール】

はやし浩司先生1947年岐阜県生まれ。

金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。

独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。

現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。

●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。

うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。

「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。

●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。

●現在は、インターネットを中心に活動中。

メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、

電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。

「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。

(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)

過去の代表的な著書

子育て格言ママ100賢1子育て格言ママ100賢子育て格言ママ100賢子育てはじめの一歩

子どもの心・100の育て方目で見る漢方診断クレヨンしんちゃん 野原家の子育て論子育てストレスが子どもをつぶす

ドラえもーん・野比家の子育て論 子育て最前線のあなたへ受験に克つ子育て法ポケモン・カルト―あなたの子どもがあぶない!

・・・などなど30冊余り出版されています。

はやし浩司先生のHP・ブログ

はやし浩司のホームページ はやし浩司先生のメインサイトです。
子育て・幼児教育など、先生が実践されてきた内容が凝縮されています。
きっと先生の優れた教育感、人間味溢れる魅力をお分かりいただけると思います。
はやし浩司の書籍 先生が執筆をした過去の原稿をダウンロードして読めます。

読者の相談ページや進学問題、パパママの子育て診断ページもあります。

最前線の子育て論byはやし浩司(メルマガ版) メルマガ版「最前線の子育て論byはやし浩司」は2007年10月、
60000誌の中で、TOP-ONEに評価され、2008年のメルマガオブザイヤーを受賞しています。

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最前線の育児論byはやし浩司(Biglobe−Blog) 最前線の育児論のブログです。
子育てや教育について様々な視点・角度で執筆されています。

主に先生の哲学者的な内容を見ることができます。
しかし、先生は博識ですね〜。
お孫様のかわいい画像と、日記、教育論を掲載しています。

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