「あるがままを受け入れる」 はやし浩司先生の育児・教育指導
親子にかぎらず、人間関係というのは、相互的なもの。
よく「子どもは、あるがままを受け入れろ」という。それはそうだが、それは口で言うほど、簡単なことではない。簡単なことでないことは、親ならだれしも知っている。
で、こう考えたらどうだろうか。
「あるがままを受け入れる」ということは、まず自分も、「あるがままをさらけ出す」ということ。
子どもについていうなら、子どもにはまず、あるがままの自分をさらけ出す。
心を許すということは、そういうことをいう。しかしそうでない親もいる。
Tさん(55歳)は、息子(40歳)に、「子ども(Tさんの孫)の運動会を見にきてほしい」と頼まれたとき、「足が痛いから行けない」と言った。しかしそれはウソだった。
Tさんは、何か別の理由があったので、運動会へは行きたくなかった……らしい。それで「足が痛い」と。
この話の中で大切なポイントは、本当のこと(本音)を言えないTさんの心の状態にある。
親でありながら、子どもに心を許していない。行きたくなかったら、「行きたくない」と言えばよい。
しかしTさんは、自分という親をよく見せるために、ウソをついた。
つまりその時点で、親子でありながら心を開いていないことになる。
しかしこういう関係では、子どものほうも心を開くことができない。
子どもの側からして、親のあるがままを受け入れることができなくなってしまう。
そういう状態を一方でつくっておきながら、「うちの子どもは心を開かない」はないし、そうなればなったで、今度は「どうしても子どものあるがままを受け入れることができない」は、ない。
少しこみいった話になってしまったが、親子も、互いに自分をさらけだすことが、互いのきずなを深めるコツということ。そのために親は親で、子どもは子どもで、自分をさらけだす。
美しいものも、きたないものも、みんな見せあう。
また少なくとも、親子はそういう関係でなければならない。が、もしそれができないというのであれば、もうすでにその段階で、親子の断絶は始まっているということになる。
ただここで注意しなければならないのは、あなたが子どもに自分をさらけ出したからといって、子どももそれに応ずるとはかぎらないということ。
ばあいによっては、子どもはあなたに幻滅し、さらには軽蔑するようになるかもしれない。
しかしそうなったとしても、それはしかたないこと。
親子関係もつきつめれば、人間関係。つまりさらに言いかえると、親になるということは、それだけきびしいことだということ。
よく「育自」という言葉を使って、「子育てとは自分を育てること」という人がいる。
それはそうだが、しかしそれをしなければ、結局は子どもにあきられる。よい親子関係をつくりたかったら、さらけ出しても恥ずかしくないほどに、親自身も一方で自分をみがかねばならない。
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。