「依存心と自立心」 はやし浩司先生の育児・教育指導
アメリカのテキサス州の田舎町で、迷子になったときのこと。
アメリカ人の友人は車をあちこち走らせながら、さかんに道路標識と地図を見比べていた。そういうとき日本人ならすぐ、通りの人に声をかけて、今いる場所を聞く。
そこで私が「どうして通りにいる人に道を聞かないか?」と声をかけたのだが、その友人はけげんそうな顔をするだけで、何も言わなかった。で、それが気になっていたので、別のある日、アメリカの中南部に住む日系人の別の友人にそれを聞くと、こう教えてくれた。
「アメリカ人は、人に頭をさげない。通りを歩いている人に道を聞くのは、危険なことだし、相手もこわがるだろう」と。つまり「そういう習慣はない」と。
よく英語の教科書に、英語で道を聞くというのがある。
「駅へ行く道を教えてください」「駅へは、この道をまっすぐ行って、2本目の角を右へ回りなさい」とか。
しかしこういう会話というのは、ごく親しい人との間の会話であって、ふつうでは考えられない。
それとも皆さんの中で、いまだかって、アメリカ人に(オーストラリア人でも、イギリス人でもよいが)、道路で道を聞かれたことがあるだろうか。
少なくともアメリカ人は、通りの見知らぬ人に道など聞かない。彼らはまず地図を手に入れる。
そしてその地図を頼りに自分の居場所を知る。
つまりそれだけ自立心が旺盛ということ。
そして一方、こういう話を驚いて聞くという私は(日本人なら皆、そうだが)、それだけ依存心が強いということ。
もっとも私はどちらがいいとか悪いとか言っているのではない。
日本は日本だし、アメリカはアメリカだ。
しかし日本から一歩外へ出ると、日本の常識はもう通用しないということ。
日本がこのまま鎖国的に、今のままでよいと言うのならそれはそれで構わないが、そうであってはいけないというのなら、日本人も外国の常識に合わせるしかない。
あるいは少なくとも、日本の常識とは違うということを理解しなければならない。こんな話もある。
私の二男フロリダへドライブしたときのこと。
きれいな砂浜があったので、つい油断して車をその中へ入れてしまった。とたん、車は立ち往生。
するとどこにいたのか、アメリカ人の学生たちが数人寄ってきて、「車を出してほしかったら、20ドルよこせ」と。つまりそれが彼らのアルバイトになっていた。
二男は「同じ学生だから」ということで、10ドルにしてもらったというが、こういうドライさというのは、日本人は理解できないものかもしれない。しかしそれが世界の常識でもある。
日本人がもつ「依存心」を考えるヒントになればと思い、ここに二つのエピソードをあげた。
●遠慮 | ●見方を変える |
●追えば追うほど、心を削る | ●子どものおねしょとストレス |
●遅れたら、「核」づくり | ●男らしさ、女らしさ |
●子どもの理性 | ●親子とは |
●教えずして教える | ●ユニバーサルスタジオ |
●親のうしろ姿 | ●大声で笑わせる |
●おどしは理性の敵 | ●子どもへの禁止命令 |
●未来を楽しみにさせる | ●依存心と自立心 |
●本当の問題 | ●あるがままを受け入れる |
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。