「遠慮」 はやし浩司先生の育児・教育指導
以前『遠慮は黄信号』という格言を考えた。
子どもの中にその遠慮を感じたら、親子関係はかなり危険な状態にあると判断してよい。
ふつう、満ち足りた家庭環境の中で、親の濃厚な愛情をたっぷりと受けて育った子どもは、見るからにどっしりとしている。態度も大きく、ときにふてぶてしくさえ見える。
反対にそうでない子どもはどこか、コセコセしている。
よく誤解されるが、だれにでも愛嬌がよいとか、愛想がよいとかいうのは、子どもの世界ではあまり好ましいことではない。
このタイプの子どもは、そういう形で相手の心に取り入ろうとする。
しかし本当のところは心を許していない。気を抜かない。
だから子ども自身も疲れるが、つきあうほうも疲れる。
遠慮するというのは、その心を許さない状態と考えてよい。
もっとも他人との関係なら、ある程度の遠慮はつきものだし、むしろ遠慮なくわがもの顔でふるまうほうが問題となることもある。
たとえば多動児(AD・HD児)の特徴のひとつとして、無遠慮、無警戒がある。
しかし本来心を許すべき相手に心を許さないとか、許せないとかいうのは、それ自体がたいへんなストレスとなってかえってくる。
親子とて例外ではない。
「実家の親に会うだけで、神経がすり減る」「正月に実家に向かうだけで言いようのない緊張感に襲われる」などと言った母親がいた。
そこであなたとあなたの子どもの関係はどうか冷静に判断してみてほしい。
あなたの子どもはあなたの前で態度も大きく、図々しいだろうか。
あなたのいる前で、平気で好き勝手なことをしているだろうか。
ときに体を休め、ときにあなたに甘えてくるだろうか。もしそうならそれでよし。
しかしどこかあなたの目を気にしたり、あなたの機嫌をうかがうようなところがあれば、あなたは今の子育てをかなり反省したほうがよい。
今は、一見、何ごともなくうまくいっているように見えるかもしれないが、やがてあなたとあなたの子どもの間に、大きなキレツが入る。そしてそれが断絶につながるかもしれない。
ただしこの問題は、あなたはそれに気づいたとしても、解決するのに、半年とか一年とか、長い時間がかかる。子どもの年齢が大きければ、もっとかかる。
そういう前提で、あなたの子育てのあり方を反省する。
●遠慮 | ●見方を変える |
●追えば追うほど、心を削る | ●子どものおねしょとストレス |
●遅れたら、「核」づくり | ●男らしさ、女らしさ |
●子どもの理性 | ●親子とは |
●教えずして教える | ●ユニバーサルスタジオ |
●親のうしろ姿 | ●大声で笑わせる |
●おどしは理性の敵 | ●子どもへの禁止命令 |
●未来を楽しみにさせる | ●依存心と自立心 |
●本当の問題 | ●あるがままを受け入れる |
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。