「逃げ場を大切に」 はやし浩司先生の育児・教育指導
どんな動物にも、最後の逃げ場というのがある。
もちろん人間の子どもにもある。
子どもがその逃げ場へ逃げ込んだら、親はその逃げ場を荒らしてはいけない。
子どもはその逃げ場に逃げ込むことによって、体を休め、疲れた心をいやす。
たいていは自分の部屋であったりするが、その逃げ場を荒らすと、子どもの情緒は不安定になる。ばあいによっては精神不安の遠因ともなる。
あるいはその前の段階として、子どもはほかの場所に逃げ場を求めたり、最悪のばあいには、家出を繰り返すこともある。
逃げ場がなくて、犬小屋に逃げた子どももいたし、近くの公園の電話ボックスに逃げた子どももいた。
またこのタイプの子どもの家出は、もてるものをすべてもって、一方向に家出するというと特徴がある。
買い物バッグの中に、大根やタオル、ぬいぐるみのおもちゃや封筒をつめて家出した子どもがいた。(これに対して目的のある家出は、その目的にかなったものをもって家を出るので、区別できる。)
子どもが逃げ場へ逃げたら、その中まで追いつめて、叱ったり説教してはいけない。
子どもが逃げ場へ逃げたら、子どものほうから出てくるまで待つ。
そういう姿勢が子どもの心を守る。が、中には、逃げ場どころか、子どものカバンの中や机の中、さらには戸棚や物入れの中まで平気で調べる親がいる。
仮に子どもがそれに納得したとしても、親はそういうことをしてはならない。こういう行為は子どもから、「私は私」という意識を奪う。
これに対して、親子の間に秘密はあってはいけないという意見もある。
そういうときは反対の立場で考えてみればよい。いつかあなたが老人になり、体が不自由になったとする。
そういうときあなたの子どもが、あなたの机の中やカバンの中を調べたとしたら、あなたはそれを許すだろうか。
プライバシーを守るということは、そういうことをいう。秘密をつくるとかつくらないとかいう次元の話ではない。
むずかしい話はさておき、子どもの人格を尊重するためにも、子どもの逃げ場は神聖不可侵の場所として大切にする。
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。