「大学の独立法人化」 はやし浩司先生の育児・教育指導
やっとというか、日本でも大学の独立法人化が動き出した。
教官の身分が保証されないという理由で、反対意見も多いが、しかしこんなことは日本以外の国では常識。
アメリカではもう30年も前から、大学入学後の学部変更は自由。
転籍も自由。それも即日に転籍できる。で、学生たちはより高度な授業を求めて、大学の間をさまよい歩いている。
そのため学科のスクラップアンドビルドは、日常茶飯事。
やる気のない教官はどんどんクビになっている。学生に人気がなければ、学部すら閉鎖される。その結果だが……。
たまたまある日、2人の学生が遊びにきた。
2001年にアメリカの州立大学を卒業したA君。もう1人は1999年に横浜の国立大学に入学したB君。
そのB君を見て、A君が驚いた。「よくアルバイトをする時間があるな」と。
アメリカの大学生にしてみれば、アルバイトなどは考えられない。
実によく勉強する。毎週金曜日に試験があるということもあるが、毎晩夜遅くまで勉強しても、それでも時間が足りないそうだ。
アメリカでは、オーストラリアでもそうだが、一単位ずつお金を出して講座を買うシステムになっている。
(実際にはまとめて買うが……。)そのお金は、たいてい奨学金でまかなう。
だから私たちがモノを選んで買うように、彼らもまたよい講座を選んで買う。
そういう意識があるから、いいかげんな講義を許さない。
私も一度、オーストラリアの大学で日本語を教えていたことがある。
そのとき一人の学生が私にこう聞いた。「『は』と『が』の違いを説明してほしい」と。
「私は行く」と、「私が行く」はどう違うかというのだ。
そこで私が「わからない」と答えると、その学生はこう言った。
「君は、この講義でお金を受け取っているのか」と。
それで私が「受け取っていない。私はボランティアだ」と言うと、「じゃあ、いい」と。だから教えるほうも必死だ。
きびしさがあってはじめて、質は高くなる。
ぬるま湯につかりながら、「いい教育」はできない。できるはずもない。
しかし今まで、日本の大学教育は、そのぬるま湯につかりすぎた。
教授人事も、「そこに人がいるから人事が慣例化している」(東大元教授)で、改革ということになったが、それにしても遅過ぎた。
今の改革が成果を生み出すのは、さらに20年後、30年後ということになる。
そのころ世界はどこまで進んでいることやら。日本はどこまで遅れていることやら。
考えれば考えるほど、暗澹(たん)たる気持ちになるのは私だけではあるまい。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー11
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情報・画像の出展:はやし浩司先生
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。