「内弁慶、外幽霊」 はやし浩司先生の育児・教育指導
家の中ではおお声を出していばっているものの、一歩家の外に出ると、借りてきたネコの子のようにおとなしくなることを、「内弁慶、外幽霊」という。
といっても、それは二つに分けて考える。
自意識によるものと、自意識によらないもの。
緊張したり、恐怖感を感じて外幽霊になるのが、前者。
情緒そのものに何かの問題があって、外幽霊になるのが、後者ということになる。
たとえばかん黙症などがあるが、それについてはまた別のところで考える。
子どもというのは、緊張したり、恐怖感を覚えたりすると、外幽霊になるが、それはごく自然な症状であって、問題はない。
しかしその程度を超えて、子ども自身の意識では制御できなくなることがある。
対人恐怖症、集団恐怖症など。子どもはふとしたきっかけで、この恐怖症になりやすい。
その図式はつぎのように考えるとわかりやすい。
もともと手厚い親の保護のもとで、ていねいにかつわがままに育てられる。→そのため社会経験がじゅうぶん、身についていない。この時期、子どもは同年齢の子どもととっくみあいのけんかをしながら成長する。→同年齢の子どもたちの中に、いきなりほうりこまれる。→そういう変化に対処できず、恐怖症になる。→おとなしくすることによって、自分を防御する。
このタイプの子どもが問題なのは、外幽霊そのものではなく、外で幽霊のようにふるまうことによって、その分、ストレスを自分の内側にためやすいということ。
そしてそのストレスが、子どもの心に大きな影響を与える。
家の中で暴れたり、暴言をはくのをプラス型とするなら、ぐずったり、引きこもったりするのはマイナス型ということになる。
こういう様子がみられたら、それをなおそうと考えるのではなく、家の中ではむしろ心をゆるめさせるようにする。
リラックスさせ、心を開放させる。多少の暴言などは、大目に見て許す。
とくに保育園や幼稚園、さらには小学校に入学したりすると、この緊張感は極度に高くなるので注意する。
仮に家でおさえつけるようなことがあると、子どもは行き場をなくし、さらに対処がむずかしくなる。
本来そうしないために、子どもは乳幼児期から、適度な刺激を与え、社会性を身につけさせる。
親子だけのマンツーマンの子育ては、子どもにとっては、決して好ましい環境とはいえない。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー11
NO’241〜NO’264
NO’1〜NO’24 | NO’73〜NO’96 | NO’145〜NO’168 |
NO’25〜NO’48 | NO’97〜NO’120 | NO’169〜NO’192 |
NO’49〜NO’72 | NO’121〜NO’144 | NO’193〜NO’216 |
NO’217〜NO’240 | NO’241〜NO’264 | NO’265〜NO’282 |
NO’283〜NO’292 |
情報・画像の出展:はやし浩司先生
※このページの文章・及び画像の著作権は「はやし浩司」様が保有しています。
当サイトでは「はやし浩司」様のご厚意により許可を得て掲載させていただいております。
【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。