「子どもの闘争心」 はやし浩司先生の育児・教育指導
年長児でも、「このヤロー」「てめえエ〜」と言いながら、興奮状態になって飛びかかってくる子どもは少なくない。
興奮といっても、ふつうの興奮ではない。狂暴的になる。
目つきそのものが鋭くなり、別人のようになってしまうこともある。N君(年長児)がそうだ。
別の子ども(年長男児)が騒いでいたので、その子どもを制するために席を離れたとたん、何を誤解したのか、N君が私に飛びかかってきた。
私も最初はふざけて飛びかかってきたのかと思ったが、そうではなかった。
私を足で蹴りあげたが、それはまさに全身の力をふりしぼって、というような蹴り方だった。
あまりのはげしさに驚いて、N君を私は抱きこもうとしたが、今度は爪をたてて私の顔にそれを突き刺してきた。
人間の子どもというより、ケダモノそのものだった……。
ある程度の闘争心は、この時期、よい方向に作用する。
闘争心がまったくないというのも、決して好ましいことではない。
ドッジボールなどをさせても、ただウロウロと逃げ回るだけでは、試合にもならない。
しかしその闘争心が度を超すと、ここでいうN君のようになる。
特徴としては、闘争心そのものがむきだしになり、いわゆるキレた状態になる。
心理学的には、そう状態における錯乱と説明されているが、キレた子どもとは違う。
キレる子どもは異常な興奮状態になるが、このタイプの子どもにはそれがない。
冷静なまま凶暴化する。闘争心だけがやたらと刺激されたような状態になる。
そうした説明はともかくも、こうした動物的な闘争心は、幼児期には決して好ましいものではない。
闘争心が強くなると、ものの考え方が短絡的になり、冷静な判断そのものができなくなる。
人間も昔は動物であった(今もそうだが……)という前提で考えるなら、人間にも原始的な本能が残っていても、おかしくない。生殖本能や食欲本能など。
闘争本能もその一つということになる。
しかしこうした本能は、あまり早い時期にはいじらないほうがよい。
とくに闘争本能はそうで、いじればいじるほど子どもはより野獣的になる。そして一度こうした野獣性が出てくると、それを抑えるのはむずかしくなる。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー10
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。