「普通こそ最善」 はやし浩司先生の育児・教育指導
普通であることにはすばらしい価値が隠されている。
賢明な人はその価値をなくす前に気づき、そうでない人はそれをなくしてはじめて気づく。健康しかり、家族しかり、そして子どものよさもまたしかり。
私は3人の息子のうち、2人をあやうく海でなくしかけたことがある。
とくに二男が助かったのは奇跡中の奇跡。
そういうことがあったためか、それ以後、二男の育て方がほかの2人とは変わってしまった。
二男に何か問題が起きるたびに、私は「ああ、こいつは生きているだけでいい」と思いなおすようになった。
たとえば二男はひどい花粉症で、毎年その時期になると、不登校を繰り返した。
中学2年生のときには、受験勉強そのものを放棄してしまった。
しかしそのつど、「生きているだけでいい」と思いなおすことで、私は乗り越えることができた。
子どもに何か問題が起きたら、子どもは下から見る。
「下(欠点など)を見ろ」というのではない。「生きている」という原点から見る。が、そういう視点で見ると、あらゆる問題が解決するから不思議である。またそれで解決しない問題はない。
……と書いて余談だが、最近読んだ雑誌の中に、こんな印象に残った話があった。
その男性(50歳)は長い間、腎不全と闘っていたが、腎臓移植手術を受け、ふつうの人と同じように小便をすることができるようになった。そのときのこと。
その人は自分の小便が太陽の光を受け、黄金色に輝いているのを見て、思わずその小便を手で受けとめたいうのだ。
私は幸運にも、生まれてこのかたただの一度も病院のベッドで寝たことがない。
ないが、その人のそのときの気持ちがよく理解できる。いや、最近になってこんなふうに考えることがある。
私はこの30年間、往復約一時間の道のりを、自転車通勤をしている。
ひどい雨の日以外は、どんなに風が強くても、またどんなに寒くても、それを欠かしたことがない。
しかし30年もしていると、運動をしていない人とは大きな差となって表れる。
たとえば今、同年齢の多くの友人たちは何らかの成人病をかかえ、四苦八苦している。
しかし私はそうした成人病とは無縁だ。
そういう無縁さが、ある種の喜びとなってかえってくる。
「ああ、運動をつづけてよかった」と。その喜びは、小便を手で受けとめた人と、どこか共通したものではないか。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー9
NO’193〜NO’216
●自分を知る | ●汗はかかせる |
●教育と指導 | ●あせる親は結論も早い |
●いい学校から、いい家庭へ | ●遊びが子どもの仕事 |
●疑いをいだかない愛 | ●思考回路 |
●愛情は落差の問題 | ●構造的な問題 |
●愛想は悪くて当たり前 | ●知識と学力 |
●子どもへの虐待 | ●頭を良くする方法 |
●あきらめは悟りの境地 | ●読書のしつけ |
●悪筆、言ってなおらず | ●あと一歩でやめる |
●普通こそ最善 | ●個性は生きザマ |
●それ以上、何を望むか | ●アルバムをそばに置く |
●己こそ、己のよるべ | ●前向きの暗示を |
NO’1〜NO’24 | NO’73〜NO’96 | NO’145〜NO’168 |
NO’25〜NO’48 | NO’97〜NO’120 | NO’169〜NO’192 |
NO’49〜NO’72 | NO’121〜NO’144 | NO’193〜NO’216 |
NO’217〜NO’240 | NO’241〜NO’264 | NO’265〜NO’282 |
NO’283〜NO’292 |
情報・画像の出展:はやし浩司先生
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。