「つらい時が子育て」 はやし浩司先生の育児・教育指導
時の流れというのは、不思議なものだ。
風のようなもので、どこからともなくやってきて、またどこかへと去っていく。手でつかんだと思っても、指の間からそのまま漏れていく……。
日々、平穏かつ無事に生きていくことは、それ自体すばらしいことだ。が、皮肉なことに、そういう人生からは何も生まれない。何も残らない。
たとえば私の近所に小さな空き地があり、そこは老人たちのかっこうの集まり場所になっている。
天気のよい日になると、何かをするでもなし、しないでもなし、老人たちは一日中何やらイスに座って話し込んでいる。
のどかな光景だが、そういう人生にどれほどの意味があるというのだろうか。
多分話している話の内容も、エンドレスにつづくムダな話ばかり。それをただひたすら繰り返しているだけ……?
子育てもまたそうで、子どもに問題もなく、何ごともなく過ぎていくことはすばらしいことだ。
だれしも自分の子育てがそうであることを願う。しかしこんなこともある。
はじめて園児を保育園や幼稚園へ連れてくるような母親というのは、確かに若くてきれいだ。
しかしどこか薄っぺらく(失礼!)、中身がない(失礼!)。
しかしそんな親でもやがて子育てで苦労をするうちに、やがて腰が低くなり、人間的なまるみができてくる。
親が子どもを育てるのではない。子どもが親を育てる。
もっとも親自身がそれに気づくのは、子どもがほとんど巣立つころになってからだが、しかしそれがそのまま子育ての結論であり、人生の結論ではないのか。
今も私の脳裏には、多くの親たちの姿が浮かんでは消える。
交通事故で長男をなくしたEさん、脳腫瘍でやはり長男をなくしたPさん、ドクターに息子の生涯の精神障害を宣告されたGさん、など。
こういうことは人生の中ではあってはいけないことだが、しかしどの人も今、神々しいほど美しく輝いていて。
街ですれ違っても声をかけることができないほどの崇高さを感ずる。
そんなことも心のどこかに置いておくと、あなたはひょっとしたら、ほんの少しだけだが、時の流れを手の中でつかむことができるかもしれない。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー8
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情報・画像の出展:はやし浩司先生
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。