「文字の前に運筆練習を」 はやし浩司先生の育児・教育指導
文字を書くようになったら、(あるいはその少し前から)、子どもには運筆練習をさせるとよい。
一時期、幼児教育の世界では、ぬり絵を嫌う時期もあったが、今改めてぬり絵のよい点が見なおされている。子どもはぬり絵をすることで、運筆能力を発達させる。
ためしにあなたの子どもに丸(○)を描かせてみるとよい。
運筆能力の発達した子どもは、きれいな(スムーズな)丸を描く。
そうでない子どもは多角形に近い、ぎこちない丸を描く。
言うまでもなく、文字は複雑な曲線が組み合わさってできている。
その曲線を描く力が、運筆能力ということになる。またぬり絵でも、運筆能力の発達している子どもは、小さな四角や形を、縦線、横線、あるいは曲線をうまく使ってぬりつぶすことができる。
そうでない子どもは、横線なら横線だけで、無造作なぬり方をする。
ところでクレヨンと鉛筆のもち方は基本的に違う。
クレヨンは、親指、人差し指、それに中指ではさむようにしてもつ。
鉛筆は、中指の横腹に鉛筆を置き、親指と人差し指で支えてもつ。
鉛筆をもつようになったら、一度、正しい(?)もち方を練習するとよい。(とくに正しいもち方というのはないが、あまり変則的なもち方をしていると、長く使ったとき、手がどうしても疲れやすくなる。)
ちなみに年長児で約50%が鉛筆を正しく(?)もつことができる。
残りの30%はクレヨンをもつようにして鉛筆をもつ。残りの20%は、それぞれたいへん変則的な方法で鉛筆をもつ。
さらに一言。
一度あなた自身が鉛筆をもって線を描いてみてほしい。
そのとき指や手、さらには腕がどのように変化するかを観察してみてほしい。
たとえば横線は手首の運動だけで描くことができる。
しかし縦線は、指と手が複雑に連動しあってはじめて描くことができる。さらに曲線は、もっと複雑な動きが必要となる。何でもないことのように思う人もいるかもしれないが、幼児にとって曲線や円を描くことはたいへんな作業なのだ。
「どうもうちの子は文字がへただ」と感じたら、紙と鉛筆をいつも子どものそばに置いてあげ、自由に絵を描かせるようにするとよい。ぬり絵が効果的なことは、ここに書いたとおりである。
NO’1〜NO’24 | NO’73〜NO’96 | NO’145〜NO’168 |
NO’25〜NO’48 | NO’97〜NO’120 | NO’169〜NO’192 |
NO’49〜NO’72 | NO’121〜NO’144 | NO’193〜NO’216 |
NO’217〜NO’240 | NO’241〜NO’264 | NO’265〜NO’282 |
NO’283〜NO’292 |
情報・画像の出展:はやし浩司先生
※このページの文章・及び画像の著作権は「はやし浩司」様が保有しています。
当サイトでは「はやし浩司」様のご厚意により許可を得て掲載させていただいております。
【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。