「知能は胸に問え」 はやし浩司先生の育児・教育指導
教育の世界には、はっきりとわからなくてもよいことは山のようにある。
その一つが、「子どもの知能」。
この問題は親の、つまりあなた自身の遺伝子にも深くかかわっている。
そのため問題にしてもほとんど意味がない。
あなたが「うちの子は頭がいい」と思うなら、それはそれでよいし、「悪い」と思うなら、それもそれでよい。
要するに、遺伝子の問題は、あなたの胸に聞けばよい。が、反対の問題もある。胸に聞こうとしない親もいるということ。
四月の新学期になって、一組の夫婦が私のところにやってきた。そしてこう言った。
「どうしてもうちの子を、S高校へ入れたいが、ついてはその指導をしてくれるか」と。
そこで私はとりあえず一時間だけその子どもを教えてみることにした。が、能力的にかなり問題があった。まじめはまじめだが、ひらめきや鋭さがまるでなかった。
言われたことを従順にやりこなすだけで、それをはずれた問題になると、思考そのものが停止してしまう。
小学校の勉強では、このタイプの子どもはそこそこの成績を取るかもしれないが、中学校ではそういうわけにはいかない。いわんやS高校とは!
数日後私は、FAXで、「引き受けられない」という内容の断りの手紙を出した。
ていねいに書いたつもりだったが、その直後、父親から猛烈な怒りの電話がかかってきた。
いわく、「君は、うちの子ではS高校は無理だと言うのか! 失敬ではないか!」と。
私は「ご期待にそえる指導はできません」と書いたのだが、それは「親の期待に」という意味で書いた。
もっとも父親にそう怒鳴られたとき、「そのとおりです」と言いそうになったが、それは言わなかった。
こうしたケースは、本当に多い。
もう少し自分の子どものことがわかっていれば……というケースである。
いやほとんどの親は、「私の子どものことは、私が一番よく知っている」と思いつつ、実のところ、ほとんど知らない。
そんなわけで、あなたも一度、自分の胸に静かに問うてみてほしい。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー7
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。