「母親が一番保守的?」 はやし浩司先生の育児・教育指導
本来、地位や名誉、肩書きとは無縁のはずの、いわゆるステイ・アト・ホーム・ワイフ(専業主婦)、略してSAHWが、一番保守的というのは、実に皮肉なことだ。
この母親たちが、もっとも肩書きや地位にこだわる。
子ども向けの同じワークブックでも、四色刷りの豪華なカバーで、「○○大学××教授監修」と書かれたものほど、よく売れる。
中身はほとんど関係ない。中身はほとんど見ない。見ても、ぱっと見た目の編集部分だけ。子どものレベルで、子どもの立場で見る母親は、まずいない。
たいていの親は、つぎのような基準でワークブックを選ぶ。
(1)信用のおける出版社かどうか……大手の出版社なら安心する。
(2)権威はどうか……大学の教授名などがあれば安心する。
(3)見た目の印象はどうか……デザイン、体裁がよいワークブックは子どもにやりやすいと思う。
(4)レベルはどうか……パラパラとめくってみて、レベルが高ければ高いほど、密度がこければこいほど、よいと考える。中にはぎっしりと文字がつまったワークブックほど、割安と考える親もいる。
しかしこういうことは大手の出版社では、すでにすべて計算ずみ。
親たちの心理を知り尽くした上で、ワークブックを制作する。が、ここに書いた(1)〜(4)がすべて、ウソであるから恐ろしい。
大手の出版社ほど、制作は下請け会社のプロダクションに任す。
そしてほとんど内容ができあがったところで、適当な教授さがしをし、その教授の名前を載せる。
この世界、肩書きや地位を切り売りしても、みじんも恥じないようなインチキ教授はいくらでもいる。
出版社にしても、ほしいのは、その教授の「力」ではなく、「肩書き」なのだ。
今でもときどき、テカテカの紙で、鉛筆では文字も書けないようなワークブックをときどき見かける。
また問題がぎっしりとつまっていて、計算はおろか、式すら書けないワークブックも多い。
さらにおとなが考えてもわからないような難解な問題ばかりのワークブックもある。
見た目にはよいかもしれないが、こういうワークブックを子どもに押しつけて、「うちの子はどうして勉強しないのかしら」は、ない。
私も長い間、ワークブックの制作にかかわってきたが、結論はひとつ。
かなり進歩的と思われる親でも、こと子どもの教育となると、保守的。
むしろ進歩的であることを、「そうは言ってもですねエ……」とはねのけてしまう。しかしこの母親たちが変わらないかぎり、日本の教育は変わらない。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー7
NO’145〜168
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情報・画像の出展:はやし浩司先生
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。