「すばらしいと言え、親の仕事」 はやし浩司先生の育児・教育指導
こんなことがあった。その息子(高1)が、家業である歯科技工士の仕事を継ぐのをいやがって困っているというのだ。そこで「どうしたらいいか」と。
今、子どもたちの間で、赤ちゃんがえりならぬ、幼児がえりという奇妙な現象が起きている。自分の将来に不安や恐怖心をもつと、子どもはおとなになるのを無意識のうちにも拒否するようになる。そして幼児期に使ったおもちゃや本を取り出し、それを大切そうにもちあるいたりする。一人の小学生(小6男児)が、ボロボロになったマンガの本をかばんの中に入れていたので、「それは何だ」と声をかけると、その子どもはこう言った。「どうちぇ、読んではダメだと言うんでちょ、言うんでちょ」と。
この子どものケースでは、父親に原因があった。父親はことあるごとに、「中学校へ入ると、勉強がきびしいぞ」「毎日5、6時間は勉強しなければならないぞ」と、その子どもをおどしていた。こうしたおどしが、子どもの心をゆがめていた。
で、私は先にあげた高校生を家に呼んで、理由をたずねてみた。するとその高校生はこう言った。「あんな歯医者にペコペコする仕事なんか、いやだ。それにオヤジは、いつも『疲れた、疲れた』と言っている」と。
そこで私は母親にこう話した。「これからは子どもの前では、家の仕事は楽しい、すばらしいと言いましょう」と。結果的にその子どもは今、歯科技工士をしているので、私のアドバイスはそれなりに効果があったのかもしれない。
子どもを伸ばす秘訣は、未来に希望をもたせること。あなたはすばらしい人になる、あなたの未来はすばらしいものになると、前向きの暗示を与える。幼児でもそうだ。少し前、『学校の怪談』というドラマがあった。そのため「小学校へ行きたくない」という子どもが続出した。理由を聞くと、「花子さんがいるから」と。やはり幼児には、「学校は楽しいよ」「友だちがいっぱいできるよ」「大きな運動会をするよ」と、言ってあげねばならない。そして……。
子どもには、「お父さんの仕事はすばらしいよ」と言う。いや、言うだけでは足りないかもしれない。生き生きと楽しそうに仕事をしている前向きの姿勢をどんどんと見せる。そういう姿勢が子どもを伸ばす。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー6
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。