「子どもの集中力」 はやし浩司先生の育児・教育指導
集中力と子どもの知的能力は、表裏の関係にある。
集中力のある子どもは、すぐれた知的能力をみせる。
このタイプの子どもは一度何かに集中し始めると、他人を寄せつけない気迫に包まれる。
一方、集中力のない子どももいる。
何ごとにつけあきっぽく、しばらくするとすぐ、「退屈〜ウ」とか、「つまらな〜イ」とか言い出す。
そんなわけで、つまり知的能力を高める方法があまりないのと同じように、集中力をつける方法というのも、それほどない。
あるとすれば、集中力をなくさせるようなことをしないという消極的なものでしかない。
たとえば無理、強制、条件、比較などを日常的にして、子どもからやる気を奪う。
慢性的な睡眠不足状態にするなど。
言いかえると、子どもの集中力を最大限引き出すためには、できるだけこうした方法を避けるということになる。が、それでも集中力が続かないとしたら……。答は簡単。あきらめる。
それがその子どもの能力の限界と知ったうえで、あきらめる。
よく誤解されるが、サッカーならサッカーで、すぐれた集中力をみせるからといって、知的な面でも集中力があるということにはならない。(もちろん両面ですぐれた集中力を示す子どももいるが……。)
脳の中でも運動面をつかさどるのが、大脳半球の中の運動野(中心前回)という部分。
知的能力をつかさどるのが、連合野という部分。連合野は人がサルから進化する過程でとくに発達した部分であり、運動をつかさそる運動野とはまったく別物と考えるのが正しい。
ただ教育的には方法がないわけではない。
子どもの方向性を見きわめたうえで、うまく好奇心を引き出しながらそれに集中させるなど。
算数はきらいでも、虫が好きで、虫のこととなると夢中で調べる子どもは、いくらでもいる。
あるいは英語には、「楽しく学ぶ子どもはよく学ぶ」というのもあるが、子どもを好きにさせるという方法もある。
まずいのは、満腹状態の子どもに、さらに食事を与えるような行為。
集中力がなくなって当然である。
この集中力がなくなると、子どもは、フリ勉(まじめに勉強しているフリだけをする)、ダラ勉(ダラダラと身をもてあます)、時間ツブシ(つめをほじったり、やらなくてもよいような簡単な問題ばかりをする)がうまくなる。
こうした症状が出てきたら、できるだけ早い時期に、家庭教育のあり方を猛省したほうがよい。
小学低学年で一度そういう症状を身につけると、なおすのは容易ではない。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー5
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。