「過関心は百害のもと」 はやし浩司先生の育児・教育指導
ある朝、一人の母親から電話がかかってきた。そしてものすごい剣幕でこう言った。
いわく、「学校の席替えをするときのこと。先生が、『好きな子どうし並んでいい』と言ったが、(私の子どものように)友だちのいない子どもはどうすればいいのか。
そういう子どもに対する配慮が足りない。こういうことは許せない。先生、一緒に学校へ抗議に行ってくれないか」と。
その子どもには、チックもあった。軽いが吃音(どもり)もあった。
神経質な家庭環境が原因だが、そういうことはこの母親にはわかっていない。
もし問題があるとするなら、むしろ母親のほうだ。こんなこともあった。
私はときどき、席を離れてフラフラ歩いている子どもにこう言う。
「おしりにウンチがついているなら、歩いていていい」と。
しかしこの一言が、父親を激怒させた。
ある夜、猛烈な抗議の電話がかかってきた。
いわく、「おしりのウンチのことで、子どもに恥をかかせるとは、どういうことだ!」と。
その子ども(小3男児)は、たまたま学校で、「ウンチもらし」と呼ばれていた。
小学2年生のとき、学校でウンチをもらし、大騒ぎになったことがある。もちろん私はそれを知らなかった。
しかし問題は、席替えでも、ウンチでもない。
問題は、なぜ子どもに友だちがいないかということ。
さらにはなぜ、小学2年生のときにそれをもらしたかということだ。
さらにこうした子どもどうしのトラブルは、まさに日常茶飯事。
教える側にしても、いちいちそんなことに神経を払っていたら、授業そのものが成りたたなくなる。
子どもたちも、息がつまるだろう。
教育は『まじめ7割、いいかげんさ3割』である。
子どもは、この「いいかげんさ」の部分で、息を抜き、自分を伸ばす。ギスギスは、何かにつけてよくない。
親が教育に熱心になるのは、それはしかたないことだ。
しかし度を越した過関心は、子どもをつぶす。
人間関係も破壊する。もっと言えば、子どもというのは、ある意味でキズまるけになりながら成長する。
キズをつくことを恐れてはいけないし、子ども自身がそれを自分で解決しようとしているなら、親はそれをそっと見守るべきだ。
へたな口出しは、かえって子どもの成長をさまたげる。
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情報・画像の出展:はやし浩司先生
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。