あと片づけとあと始末 はやし浩司先生の育児・教育指導
あと片づけとあと始末は、基本的に違う。
たとえば「部屋に散らかったものを片づける」は、あと片づけ。
「使った食器をシンクへもっていき、そこで食器を洗い、ナプキンでふく」は、あと始末。
日本人はあと片づけには、うるさいが、あと始末には甘い。
これは日本人の国民性のようなもの。
日本人は何かにつけて、責任の所在をはっきりさせるよりも、ものごとをナーナーですまそうとする。
オーストラリア人の子育てをみても、彼らはあと片づけには、それほどうるさくない。子ども部屋だと、散らかっているのが当たり前という状態。
しかしあと始末にはうるさい。
冷蔵庫から出したものを、テーブルの上に置いておこうものなら、子どもたちは親にひどく叱られる。
そうそう以前、こんなことを言ったアメリカ人の友人がいた。
「ヒロシ、日本の子どもたちは、皆、スポイルされているよ」と。
「スポイル」というのは、「ドラ息子化している」という意味だ。
そこで私が「君はどんなところを見てそう言うのか」と聞くと、こう話してくれた。
彼はときどき日本の子どもたち(英会話教室の生徒)を、自宅にホームステイさせているのだが、それについて、「食事の前に料理を手伝わない」「食後も食器を洗わない」「シャワーを浴びても、アワを流さない」「朝起きても、ベッドをなおさない」「……何もしないのだよ」と。
あと片づけをうるさく言い過ぎると、かえって子どもにとっては居心地の悪い世界になってしまう。
アメリカの作家のソローも、こう言っている。「ビロードのクッションの上に座るよりも、カボチャの頭に座るほうが、休まる」と。
しかしあと始末は別。
子どもにはどんどんとあと始末をさせる。
そういう習慣が、責任感の強い子どもをつくる。
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情報・画像の出展:はやし浩司先生
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。