
適切な幼児教育は後の人間形成において大変重要であると考えていますが注意していただきたいことがあります。
幼児教育は完璧な育児や教育を推奨するものではないということです。
・愛情が第一を忘れない
・他の子どもと比較をしない
・完璧主義にならない
・結果を期待しすぎない
・ゆったりとした心を持つ
子どもへの過剰な期待は親子共に大きなストレスになる危険性あります。
ゆったりと構え、少しくらい上手くいかなくても「まぁ、いっか。」に考えられることが幼児教育を続けられるポイントになります。
「ドロ沼の母親狂騒曲」について はやし浩司先生の子育て随筆
埼玉県在住の、Tさん(母親、年長男児をもつ)から、こんなメールが、届いた。
「うちの住んでいるところは、新興住宅地。文化性は、まったく、なし。母親のステータスも、ダンナの職種で決まる。
S放送局や、T銀行、N自動車に勤めるダンナが多いこともある。で、そういうところに勤めるダンナをもつ、妻たちが、いばるわけ。
で、近くに、このあたりでも有名な、……というか、名門というか、そういう小学校がある。名前はSS小学校。入試が近づくと、その話ばかり。『どうして、あんな子が受けるの?』『あんな子が合格するくらいなら、私、この町を出る!』『幼稚園には、内緒で、SSを受けるそうよ。先生に言いつけてやる』と。
出るは出るは、低次元な話ばかり。若い母親たちが、集まれば、こんな話ばかりしている。あとはそしてお決まりの、悪口、中傷。
『あの人、子どもが受験するならするで、一言、言ってくれればいいのに、礼儀知らず。今度は、○○会から、排除よ』
『Xさんは、幼稚園へ迎えに行くだけなのに、いつもY車(大型の外車)よ。歩いても、五分もかからないのに。でも、幼稚園への寄付は、たったの一万円だったそうよ』
このあたりでは、SS小学校に合格した子どもを、『勝ち組』。落ちた子どもを、『負け組』といって、差別する。そこらの学習塾でも、差別する。SS小学校の子どもだと、ハイハイと言って、即、入塾。
しかしそれ以外の小学校の生徒だと、塾長もとつぜん、ふんぞりかえって、『うちはア……』と、しぶってみせる。
イヤーな雰囲気の地域。
私は転勤族だから、北は函館から、南は、博多まで、みんなよく知っている。しかし埼玉県のここは、最低。最悪。『このあたりが地球の中心』と思っているような人ばかり。バカみたい。外から見れば、ただの新興住宅地なのに。
私、奈良にも住んだことあるが、奈良は最高! 京都も近いし。ああいうところの、奥深い文化に接したことがない連中ばかり。
子どものことで、見栄やメンツを張るなんて、つまらない。私は、自由人。そういう目で見ると、みんな????。本当に、いやになってしまう。先生、こういう地域を、どう思う?」
(たいへん過激な文章だったので、林の方で、要約)
親が子どもを育てるのではない。子どもが親を育てる。……私が、このことを知ったのは、こうした親どうしの、ドロドロのウズに巻き込まれたとき。
それは想像を絶するほど、低次元な世界だった。
しかしTさん、そういう親でも、二年、三年と、子育てで苦労すると、やがて人間的な丸みや深みができてくる。つまり、親が子どもを育てるのではない。子どもが親を育てる。
だから大切なことは、(今の母親たち)を見て、それがすべてとは思ってはいけないということ。大切なことは、そういう母親たちが、少しでも、前に向って、伸びることを、手助けすること。どの母親も、そういう意味では、すばらしい母親になる可能性をもっている。
私も、幼児教育をして、三五年になるが、当初より、「幼児教育は、母親教育」ということを、見抜いていた。
(ここが、私のすごいところ。エヘン!)
だから今、あなたがなすべきことは、そういう母親たちを、つまりは反面教師として、自分の姿を見ていくこと。すでにあなたは、そういう視点をもっている。つまりあなたは、そういう意味で、ほかの母親たちを、一歩、リードしている。
もしあなたがリードしていなければ、あなたは今、ほかの母親たちと同じことをしていたかもしれない。あなたは子どもを育てながら、実は、その向こうにある、(人間)を見ている。そしてその反射的効果として、(自分)を見ている。
今のあなたのまわりの(現状)を否定するのではなく、まず(現状)とは、そういうものであることを知る。すべては、そこから始まる。わかりやすく言えば、「今の若い母親たちは、ダメだ」と、言うのではなく、あなたの立場で言うなら、そういう母親たちの中に、自分の愚かな姿を見て、それをバネとして、前に進むこと。
私は、もう、そういう修羅場を、五万と見てきた。恐らく、一歩離れたところにいる、学校や園の先生たちは、そういう世界を知らないだろう。どの母親も、先生の前では、別人のように振る舞ってみせる。
しかし、ね、Tさん。それが人間のドラマのおもしろさということになる。私たちは、不完全で、どうしようもない人間。その人間が、懸命に、無数のドラマを展開している。そこでどうだろう。
「同じ人間」と思うのではなく、こちらのほうが一歩上に出て、あたかも自然動物園の中の動物を観察するような目をもってみたら。そうすれば、母親どうしの醜い狂騒も、これまた、ほほえましく見えてくるもの。
より高い視点に立ってみると、それまでの世界が、小さく、つまらないものに見えてくる。「自分を伸ばす」ということは、そういうことをいう。
およばずながら、私は、あなたのような人のために、こうした文章を書いている。どうか、どうか、これからも私のマガジンを読んでほしい。私はいつか、必ず、この荒野の先に何があるか、それを見てやる。そしてみなさんに、報告してやる。
さあ、あなたも、魂の自由人として、心の中の荒野を歩いてみたら……。その世界は、スリリングで、楽しい。実に、楽しい。いっしょに、前に向って、歩いていこう。
So take my hands
To walk this land with me.
To walk this golden land with me.
(ポールニューマン主演、パットブーンが歌った、「栄光への脱出」より)
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。