
適切な幼児教育は後の人間形成において大変重要であると考えていますが注意していただきたいことがあります。
幼児教育は完璧な育児や教育を推奨するものではないということです。
・愛情が第一を忘れない
・他の子どもと比較をしない
・完璧主義にならない
・結果を期待しすぎない
・ゆったりとした心を持つ
子どもへの過剰な期待は親子共に大きなストレスになる危険性あります。
ゆったりと構え、少しくらい上手くいかなくても「まぁ、いっか。」に考えられることが幼児教育を続けられるポイントになります。
「虐待にもいろいろ」について はやし浩司先生の子育て随筆
一般論として、子どもに虐待を繰りかえす親は、自分自身も、虐待を受けた経験があるといわれている。約50%が、そうであるといわれている。
その虐待は、暴力だけにかぎらない。
大きく、この(1)暴力的虐待のほか、(2)栄養的虐待、(3)性的虐待、(4)感情的虐待に、分けられる。暴力的虐待は、肉体的虐待、言葉の虐待、精神的虐待に分けられる。
順に考えてみよう。
(1)肉体的虐待……私の調査でも、約50%の親が、何らかの形で、子どもに肉体的な暴力をバツ(体罰)として与えていることがわかっている。そしてそのうち、70%の親(全体では35%の親)が、虐待に近い暴力を加えているのがわかっている。
日本人は、昔から、子どもへの体罰に甘い国民と言われている。
「日本人の親で、『(子どもへの)体罰は必要である』と答えている親は、70%。一方アメリカ人の親で、『体罰は必要である』と答えている親は、10%にすぎない」(村山貞夫)という調査結果もある。
体罰はしかたないとしても、たとえば『体罰は尻』ときめておくとよい。いかなるばあいも、頭に対して、体罰を加えてはいけない。
(1−2)言葉の虐待……「あなたはダメな子」式の、人格の「核」に触れるような言葉を、日常的に子どもにあびせかけることをいう。
「あなたはバカだ」
「あなたなんか、何をしてもダメだ」
「あんたなんか、死んでしまえばいい」など。
子どもの心は、親がつくる。そして子どもは、長い時間をかけて、親の口グセどおりの子どもになる。親が「うちの子はグズで……」と思っていると、その子どもは、やがてその通りの子どもになる。
しかし言葉の暴力がこわいのは、その子どもの人格の中枢部まで破壊すること。ある男性(60歳)は、いまだに「お母さんが怒るから」「お母さんが怒るから」と、母親の影におびえている。そうなる。
(1−3)精神的虐待……異常な恐怖体験、過酷な試練などを、子どもに与えることをいう。
ふつうは、無意識のうちに、子どもに与えることが多い。たとえば子どもの前で、はげしい夫婦喧嘩をして見せるなど。
子どもの側からみて、恐怖感、心配、焦燥感、絶望感を与えるものが、ここでいう精神的虐待ということになる。
子どもの心というのは、絶対的安心感があって、その上で、はじめてはぐくまれる。その基盤そのものが、ゆらぐことをいう。
(2)栄養的虐待……食事を与えないなどの虐待をいう。私自身、このタイプの虐待児について接した経験がほとんどないので、ここでのコメントは、割愛する。
(3)性的虐待……今まで、具体的な事例を見聞きしたことがないので、ここでは割愛する。
(4)感情的虐待……親の不安定な情緒が与える影響が、虐待といえるほどまでに、高じた状態をいう。かんしゃくに任せて、子どもを怒鳴りつけるなど。
『親の情緒不安、百害あって一利なし』と覚えておくとよい。少し前だが、こんな事例があった。
その母親は、交通事故をきっかけに、精神状態がきわめて不安定になってしまった。しかし悪いときには、悪いことが重なる。その直後に、実父の他界、実兄の経営する会社の倒産と、不幸なできごとが、たてつづけに、つづいてしまった。
その母親は、「交通事故の後遺症だ」とは言ったが、ありとあらゆる体の不調を訴えるようになった。そしてほとんど毎日のように病院通いをするようになった。
その母親のばあいは、とくに息子(小2)を虐待したということはなかった。しかしやがて子どもは、その不安からか、学校でも、オドオドするようになってしまった。先生にちょっと注意されただけで、腹痛を訴えたり、ときには、みなの見ているところで、バタンと倒れてみせたりした。
このように精神に重大な影響を与える行為を、虐待という。暴力的虐待も、暴力を通して、子どもの精神に重大な影響を与えるから、虐待という。
この虐待がつづくと、子どもの精神は、発露する場所を失い、内閉したり、ゆがんだりする。そしてそれが心のキズ(トラウマ)となって、生涯にわたって、その子どもを苦しめることもある。
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。