
適切な幼児教育は後の人間形成において大変重要であると考えていますが注意していただきたいことがあります。
幼児教育は完璧な育児や教育を推奨するものではないということです。
・愛情が第一を忘れない
・他の子どもと比較をしない
・完璧主義にならない
・結果を期待しすぎない
・ゆったりとした心を持つ
子どもへの過剰な期待は親子共に大きなストレスになる危険性あります。
ゆったりと構え、少しくらい上手くいかなくても「まぁ、いっか。」に考えられることが幼児教育を続けられるポイントになります。
「悲しき束縛(?)」について はやし浩司先生の子育て随筆
静岡県K町といえば、昔から、お茶の産地として知られたところである。そのK町にある先生(小学校教師男性)が、こう言った。
「このあたりでは三世代(同居家庭)が、ふつうです。そういうこともあって、いまだに長子相続の考え方が、根強く残っています。
農家の長男だと、『君は、おとなになったら何になる?』と聞いたりすると、みな、『ぼくは、茶畑を継ぎます』などと答えるんですよ。まだ小学二年生の子どもが、ですよ。それも直立不動の姿勢で、そういう言うのですよ」と。
小さいうちから、祖父母から、「お前は、おとなになったら、この家の農業を継ぐことになる」と言われつづけているのだろう。それはしかたのないことかもしれないが、問題は、女性。母親。嫁。嫁といっても、そのための嫁であることも多い。
「子どもを産めないため、離婚させられた女性もいます」とも。
同じようなことは、このH市周辺でも起きている。周辺の農村へ行くと、あと取りが、そこの家庭でも深刻な問題になっている。代々つづいたミカン農家。しかしそのあとを継ぎたがらない息子たち。
加えて、一昔前のように、老人たちがいばる時代は、もう去った。どこの家庭でも、嫁と姑、嫁と舅(しゅうと)の問題をかかえている。一触即発という家庭も少なくない。あるいは、今では、同じ敷地内別居も、当たり前。
が、それはさておき、こんなこともある。
そのため祖父母たちが、息子や娘たちに、(学問をつけさせる)ことに反対しているというのだ。
「勉強なんかできると、かえって農家を継ぎたがらなくなってしまうから、勉強させてほしくない」と。
2004年の現代、信じられないような話だが、これは本当の話。だからその祖父母は、その先生に、こう言ったという。「うちの孫は、K農業高校でじゅうぶん。それ以外の道は、考えていない」と。
それぞれの家庭には、それぞれの事情がある。そしてそれぞれの親は、それぞれの思いの中で、子育てをしている。
しかし子どもの人権を考えるなら、日本はまだまだ後進国。甘やかしたり、好き勝手なことをさせることが、子どもの人権を守ることだと考えている人は多い。そのため「日本は、子どもの人権を守っている」と、誤解している人は多い。
子どもの人権を守るということは、子どもの意思や考え方、さらには、その生きザマを尊重すること。……と考えて、私は、ここでハタと考えてしまった。
子ども自身が、「ぼくは、農家を継ぎます」と言ったばあいは、どうなるのか、と。
しかしこのばあいでも、子どもは自分で考えてそう言っているのではない。言わせられているだけ。つまり子どもの人権を守るということは、こうした押しつけがあってもいけないということになる。
もしこのことがわからなければ、あのK国を見ればわかる。
幼稚園児たちが、鉄砲のおもちゃをもって、「将軍様を死守します!」などと、合唱している。何でもあのK国では、日本人を見ると、子どもはそれだけで、泣き出して逃げていくという(「週刊文春04年1月」)。
そういう子どもの姿を見て、あなたは、子どもが本当に自分でそう考えて、そう言っていると思うだろうか。答は「ノー」のはずである。
これから先、しばらくこの「子どもの人権」について、考えてみたい。
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。