
適切な幼児教育は後の人間形成において大変重要であると考えていますが注意していただきたいことがあります。
幼児教育は完璧な育児や教育を推奨するものではないということです。
・愛情が第一を忘れない
・他の子どもと比較をしない
・完璧主義にならない
・結果を期待しすぎない
・ゆったりとした心を持つ
子どもへの過剰な期待は親子共に大きなストレスになる危険性あります。
ゆったりと構え、少しくらい上手くいかなくても「まぁ、いっか。」に考えられることが幼児教育を続けられるポイントになります。
「最高の知性」について はやし浩司先生の子育て随筆
ノーベル賞受賞者たちが、ときおり世界からやってきて、いっしょに寝泊りした。それがあのメルボルン大学の、インターナショナルハウスだった。
もっとも、当時は、(今も基本的には同じだが……)、ノーベル章受賞者というのは、世界中にゴロゴロしていて、それほど、珍しくなかった。アメリカだけでも、200人を超える。ヨーロッパ全体では、もっと、多い。メルボルン大学にせよ、アデレード大学にせよ、それぞれ7〜10人の受賞者がいた。
日本人がなかなかその賞を取れなかったのは、言葉の問題と、それに国際的な政治力の問題があったからだという。当時、だれからか、そういう話を聞いたことがある。
しかし慣れというのは、恐ろしいものだ。私はそういう人たちと、毎日のように接しながら、それが特別なことだとは、まったく思わなかった。
そんな中、たまたまローマ会議から帰ってくる途中、ハウスに寄っていった科学者がいた。ローマ会議というのは、世界のトップクラスの科学者たちが、それぞれの分野について話しあう会議である。
その科学者の名前は忘れたが、何でもその会議には、公開するための公開会議と、そうでない秘密会議があるというような話をしてくれた。そして実は、その秘密会議のほうが、重要だ、と。
いろいろな話を聞いた覚えがあるが、その一つに、食糧問題があった。「このままでは、あと20年で、世界の食糧は、枯渇(こかつ)する」と。
当時、日本にも、そして世界にも、食糧は豊富にあるように見えた。だから私はその話を聞いたとき、「まさか!」と思った。しかし現実には、それから10年後には、世界中で食糧問題が大きなテーマとなった。さらに現実には、今、それから34年になるが、「枯渇すること」は、なかった。
しかし今から思うと、あれが「知性」だったのかな、と思う。「人類は……」「地球は……」と、20年後、100年後に、自分の視点を置いて考える。さまざまなデータを集めて、そして一つの未来像を作りあげていく。そしてその未来像を変えるようなことまでする。
そう言えば、その科学者も、こう言っていた。「研究(STUDY)ほど、すばらしい職業はない」と。
残念ながら、私は、今、そういった知性とは無縁の生活をしている。ある意味で、知性など、あまり必要のない生活といってもよい。しかし「知性」のもつすばらしさだけは、よく知っている。
知性は、まさに神の世界に入るための切符のようなもの。遺伝子工学にみるまでもなく、それが正しいかどうかという議論はさておき、今では、生命そのものまでつくりだすことができる。
そのローマ会議からの帰り道に寄った科学者も、見るからに神々しい人だった。もの静かな人だったが、キラリと光る、鋭い目つきをしていた。で、おかしなもので、名前は忘れたが、その人の部屋に入ると、壁にこんな紙が張りつけてあったことだけは、よく覚えている。
「To Smokers, Smoke, considering other people’s health and convenience」と。「喫煙者たちよ、他人の健康と、快適さを考慮に入れて、タバコを吸え」と。
当時はまだ、禁煙が、今ほどうるさくは叫ばれていなかった。くだらないことだが、今、ふと、そんなことを思い出した。
で、もう一度、息子にメールを送った。「万難を排して、NN教授の最終講義を聞くように」と。
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。