
適切な幼児教育は後の人間形成において大変重要であると考えていますが注意していただきたいことがあります。
幼児教育は完璧な育児や教育を推奨するものではないということです。
・愛情が第一を忘れない
・他の子どもと比較をしない
・完璧主義にならない
・結果を期待しすぎない
・ゆったりとした心を持つ
子どもへの過剰な期待は親子共に大きなストレスになる危険性あります。
ゆったりと構え、少しくらい上手くいかなくても「まぁ、いっか。」に考えられることが幼児教育を続けられるポイントになります。
「勉強が楽しい」について はやし浩司先生の子育て随筆
小学校の高学年児で、「勉強が楽しい」と思っている子どもは、約20%(グラフより)にすぎない。
このほど、地元のI小学校での、調査結果が公表された(04年02月)。それによると、勉強が楽しいと答えた子どもは、4年、5年、6年生では、20%しかいない。(小1で、40%)。
私はその数字もさることながら、こうした調査結果を公表した、I小学校の校長に、敬意を表したい。まさに勇気ある行為である。
少し前までなら、「学校の恥」と、こうした結果は、公表されなかった。しかしI小学校の校長は、あえてこうした結果を公表し、世間に、問題の「根」の深さ、そして深刻さを訴えた。
ほかにもいくつかの調査結果が、公表されている。
「先生が楽しい」と答えた子ども……小1で、約32%(グラフより)
小6で、約13%(グラフより)
わかりやすく言えば、学年を経るごとに、子どもたちは勉強嫌いになり、先生嫌いになるということ。しかし「勉強が楽しい」という子どもが、たったの20%とは!
で、この20%という数字と、符合する事実がいくつかある。
「中学生で、勉強している子どもは、約20%とみる」
「中学生で、勉強していない子どもは、約60%とみる」
「中学生で、約60%の子どもは、勉強ではなく、部活動でがんばって、推薦で高校へ入りたいと考えている」
「高校生で、本格的に受験勉強している子どもは、10〜20%程度である」
「高校生で、家でまったく勉強していない子どもは、約40%はいる」など。
これらの数字は、今までに、あちこちの学校の校長と話していたときに出てきた数字である。正確な調査結果ではないが、おおむね、これらの数字は正しいとみてよい。
つまり子どもの勉強に対する方向性は、小学6年生ぐらいまでには決まるということ。そしてそれが最終的には、大学受験にまでつづくということ。そういう意味では、この年齢までの(動機づけ)が、その子どもの一生を左右すると考えてよい。
しかし……。
私の教室では、子どもたちに、「勉強は楽しい」という意識を、徹底的に植えつける。実際、年長児の終わりで、ほぼ100%の子どもが、「勉強、大好き!」と答える。
これはウソでも、誇張でもない。このマガジンの読者の中には、教室の多くの父母がいるから、ウソは、書けない。
つまりここまでは、うまく、いく。しかし子どもたちが、学校へ入り、三年生、四年生となっていくと、私の教室でも、とたんに、勉強嫌いの子どもがふえてくる。
一見、学校の責任のように思う人も多いかもしれないが、原因は、家庭教育の失敗にある。もっと言えば、原因は、母親や父親にある。つまり親の欲やあせりが、子どものやる気を容赦なくつぶしていく。
よい例が、進学塾だ。私の教室でも、小学三年生になるころから、みな、進学塾へ移っていく。(何も、それに反対しているのではない。念のため!)それはそれでかまわないが、そうした親の安易な判断が、同時に、子どもから、やる気を奪っていく。
たしかに上位20〜30%の子どもにとっては、それなりの効果がある。それは認める。しかし問題は、それにつづく子どもたちである。その子どもたちの心が、無残にも破壊されていく。
「何よ、この成績は!」「もっと、勉強しなさい!」「A君が、5番だって! あの子に負けて、悔しくないの!」と。
ご存知のように、進学塾では、容赦なく、点数で子どもを評価する。それがすべてと言ってもよい。教育理念の「リ」の字すら、ない。あるいは塾長自らが、学歴信仰の亡者。(そう断言してよい。)
そしてその結果が、「勉強が楽しい」と答えた子どもが、20%という数字である。
せっかくI小学校の校長が、勇気をもって公表したのだから、私たちは、その勇気に答えなければならない。そして問題の「根」を理解し、私たちの家庭教育に、それを生かしていかねばならない。
多分、あなた自身も、子どものころ、勉強でいやな思いをしたはず。ユーウツな思いをしたはず。そこで少しだけそんな時代を思い出してみてほしい。つまりそういう時代が、今のあなたにとって、本当に役にたっているか、と。あなたの中で、光り輝いているか、と。
だからといって、私は何も勉強を否定しているのではない。ただどうせしなければならないものなら、楽しくしたほうがよいということ。そのほうが、子どもも、伸びる。いやいやでは、子どもも、じゅうぶん能力を発揮できない。それだけのこと。
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。