適切な幼児教育は後の人間形成において大変重要であると考えていますが注意していただきたいことがあります。
幼児教育は完璧な育児や教育を推奨するものではないということです。
・愛情が第一を忘れない
・他の子どもと比較をしない
・完璧主義にならない
・結果を期待しすぎない
・ゆったりとした心を持つ
子どもへの過剰な期待は親子共に大きなストレスになる危険性あります。
ゆったりと構え、少しくらい上手くいかなくても「まぁ、いっか。」に考えられることが幼児教育を続けられるポイントになります。
「溺愛論」について はやし浩司先生の子育て随筆
溺愛は、「愛」ではない。溺愛は、つまりは、自分の心のすき間を埋めるために、子どもを利用する、親の身勝手な愛。その愛の中身は、ストーカー行為を繰りかえす、あのストーカーの愛(?)に似る。
ある母親は、自分の息子が、結婚して横浜に住むようになったことを、「悔しい、悔しい」と嘆いていた。「横浜の嫁に、息子を取られた」とも言った。
こうした溺愛は、親自身は、気づかない。むしろ「私は子どもを深く愛している」と錯覚する。この心理も、ストーカーの心理と似る。相手は迷惑しているのだが、迷惑していることにすら、気づかない。
こうして溺愛された子どもは、溺愛児になる。それについては、たびたび書いてきたので、ここでは、その先を書く。
溺愛された子ども自身が、その溺愛に気づくことがある。「ぼくは、母に溺愛された」と。しかしそのとき、その子どもが、母親に感謝するということは、ない。その反対である。ある男性(45歳くらい)は、こう言った。
「自分が母親のおもちゃであったことに、あるとき、気づきました。そのとき以来、70歳をすぎても、子離れできない母親を見ると、ぞっとします」と。何でもその母親は、いまだに「○○ちゃん、○○ちゃん」と、その男性に、甘えてくるという。
もう一つ、溺愛が愛でないという、その証拠になるような話がある。
ある母親は、自分の息子を溺愛する一方、その息子が、自分から離れていくのを、絶対に許さなかった。息子の進学する高校ですら勝手に決めてしまい、さらに自分から離れて住むことを許さなかった。
その息子氏(現在50歳くらい)は、こう言う。
「母の言い方は、実にたくみなんですね。たとえばこういう言い方をします。
たとえば近所に、遠く離れて住むようになった息子がいたとしますね。そういう息子について、わざと私に聞こえるようなところで、こう言うのです。
『あの息子は、親不孝者だ。親を捨てて、遠くに住んでいる。ああいう息子は、地獄へ落ちる。今に、その結果が出る。ああいう息子は、世間の笑いものだ』と。
つまり母は、そう言いながら、その一方で、『お前は、そういうことをするなよ』と私を、脅(おど)しているのですね」と。
もっとも、その溺愛に気づく人は、まだよいほうだ。大半の人は、親に溺愛されたことにすら気づかない。気づかないまま、それを「親の深い愛」と誤解する。
こうしてマザコンタイプの子どもが生まれる。
信じられないような話かもしれないが、70歳の母親と、いまでも手をつないで寝ている息子(40歳くらい)がいる。(ホントだぞ!)
このマザコンタイプの子どもは、自分のマザコン性を正当化するために、ことさら、親を美化したりする。「私の母は、毎晩、夜なべして、私を育ててくれました」「私の母は、世の人の傘になれよと教えてくれました」と。
このタイプの人にとっては、親は、まさに絶対。だれかが親を批判しただけで、猛然と、それに反発する。またそうすることが、子どもの務めと誤解する。
溺愛は、決して、愛ではない。真の愛は、子どもをどこまで、「許して忘れるか」、その度量の深さで、決まる。しかしそれは、同時に、さみしくも、つらい愛である。
決して子どもを、自分のなぐさみものに、利用してはいけない。
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。