
適切な幼児教育は後の人間形成において大変重要であると考えていますが注意していただきたいことがあります。
幼児教育は完璧な育児や教育を推奨するものではないということです。
・愛情が第一を忘れない
・他の子どもと比較をしない
・完璧主義にならない
・結果を期待しすぎない
・ゆったりとした心を持つ
子どもへの過剰な期待は親子共に大きなストレスになる危険性あります。
ゆったりと構え、少しくらい上手くいかなくても「まぁ、いっか。」に考えられることが幼児教育を続けられるポイントになります。
「家の外と、中では、まるで別人」について はやし浩司先生の子育て随筆
ある相談から……
静岡市に住んでいる、MMさんから、長女(小1)について、こんな相談があった。
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「家の外と、中では、まるで別人のように、様子がちがいます。
学校などでは、優等生で、何も問題がないと、先生にもよく言われます。しかし家の中では、がんこで、わがままで、生活態度も横柄です。
何か、私が注意したり、叱ったりすると、最後の最後まで、ああでもない、こうでもないと、さからいます。私はうちの子は、ひねくれています。先のことを考えると、心配でなりません。どうしたらいいでしょうか。
ちなみに、うちには、ほかに、2歳年下の弟と、4歳年下の妹の、二人の子どもがいます」(以上要約)と。
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ほかにもいろいろ症状が書かれていた。
で、文面から判断すると、長女(Aさんとする)は、下の子どもが生まれたことにより、慢性的な欲求不満に陥ったものと思われる。それが原因で、心をゆがめたものと思われる。
対処法としては、「子どもの欲求不満」に準じて、考える。私のHPの、「タイプ別」を参照してほしい。
実際、かなり強度のひねくれ症状が出ているが、これはここに書いた、慢性的な欲求不満が原因と考えてよい。このタイプの子どもは、まさに(ああ言えば、こう言う)式の反抗をする。
母、娘が、茶碗を割ったことについて、「気をつけてよ!」
娘、すかさず、「こんなところに、ママが茶碗を、置いておくから、いけないのよ!」と。
下の子どもが生まれると、上の子どもは、嫉妬から、さまざまな形で、心をゆがめやすい。これについても、同じくHPの「タイプ別」→(赤ちゃんがえり)を、参照してほし
い。
嫉妬は、きわめて原始的な感情であるだけに、それをいじると、子どもの心は、ゆがむ。
Aさんも、母親の気づかないところで、かなり心をゆがめた。
で、その欲求不満のはけ口として、Aさんは、仮面をかぶるようになったと考えられる。
一般論として、人との交わりがうまくできない子どもは、攻撃型、同情型、依存型、内閉型のどれかのパターンを、とることがわかっている。
Aさんも、そのうちのどれかのパターンをとっているものと思われる。文面から察すると、家の中では、攻撃型。家の外では、同情型のような気がする。外の世界では、無理によい子ぶって、関心を集めようとする。(あくまでもいただいたメールの範囲内での判断だが……。)
で、母親の相談だが、「先が、心配だ」と。
このタイプの子どもは、外の世界でいい子ぶる、つまり無理をする分だけ、家の中では、荒れやすい。暴力行為に出るプラス型と、グズグズ、ネチネチするマイナス型に分けて考える。
Aさんは、プラス型かもしれないが、つまり子どもは、こうして心のバランスをとる。
そこでつぎのように、するとよい。
?「ああ、うちの子は、外の世界でがんばっている。だから家の中では、心と体を休めている」と理解してあげること。多少、ぞんざいな態度や、横柄な態度をしても、大目に見る。
?「求めてきたときが与えどき」と考えて、子どもが、スキンシップ(甘えたり、体の接触)を求めてきたようなときは、こまめに、ていねいに、濃厚に、子どもが満足するまで、それを与えること。
?CA,MGの多い食品、たとえば海産物を主体とした食生活にこころがける。とくに緊張性の、情緒不安症状がみられたらそうする。どこかピリピリしているとか、ささいなことで、カーッとなるようなときに、効果的である。
残念ながら、この時期、こうした方向性を一度見せると、子どもの心は、そのまま一生、つづく。ひとつの性格として、定着してしまうからである。
しかし文面から察すると、外の世界ではがんばっているようなので、それほど、心配しなくてもよいのでは……。むしろ、そういうよい面をほめ、それを伸ばすようにしたらよい。(外の世界でも、荒れるようであれば、心配だが……。)
ポイントは、今より症状を悪化させないことだけを、考える。そして一年単位で、様子をみる。あせってなおる問題ではない。また叱ったり、説教しても、意味はない。「根」は、深い。
一つ心配なのは、親子関係が、かなりぎくしゃくしているように感じたこと。たがいに不信感をもち始めているような雰囲気である。
今が、その正念場と考えてよい。このまま親子が断絶していくか。それとも、親子関係を修復するか。
もし悩んだり、行きづまったら、「許して忘れる」の言葉を、念じてみてほしい。それだけで、ずいぶんと心が軽くなるはずである。
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。