
適切な幼児教育は後の人間形成において大変重要であると考えていますが注意していただきたいことがあります。
幼児教育は完璧な育児や教育を推奨するものではないということです。
・愛情が第一を忘れない
・他の子どもと比較をしない
・完璧主義にならない
・結果を期待しすぎない
・ゆったりとした心を持つ
子どもへの過剰な期待は親子共に大きなストレスになる危険性あります。
ゆったりと構え、少しくらい上手くいかなくても「まぁ、いっか。」に考えられることが幼児教育を続けられるポイントになります。
「あせる親たち」について はやし浩司先生の子育て随筆
子どもが受験期にさしかかると、たいていの親は、言いようのない不安に襲われる。ある母親は、こう言った。「進学塾の電気が、こうこうとついているのを見ただけで、カーッと頭に血がのぼりました」と。
学歴信仰とは、よく言ったもので、それは、まさしく「信仰」のなさるわざ。「私は無神論で、だいじょうぶ」と思っている人でも、学歴信仰の信者は、いくらでもいる。しかしこの信仰は、日本に生まれ育ち、日本に住んでいる人には、わからない。それはたとえて言うなら、アメリカ人が、「アメリカは、キリスト教国ではない」と主張するのに、似ている。
だれが見てもアメリカは、キリスト教国なのだが、肝心のアメリカ人は、そうは思っていない。
問題は、なぜあせるかではなく、どうやったら、その「あせり」と戦うことができるか、だ。
ある母親から、こんなメールが届いた。「友人の家に行ったら、その友人の子どもの、むずかしそうな問題集や参考書が、ぎっしりと並んでいました。毎日、友人が、自分の子どもに、個人レッスンしているそうです。それを知ったとき、ものすごい焦燥感を覚えました」と。
「うちの子はだいじょうぶかしら?」という思いが、やがて「おとなになったら、どうなるのかしら?」という思いに変る。そしてそういう不安が、やがて心の中に、エアーポケット(空白)をつくる。このポケットの中に、学歴信仰が、スーッと忍びこむ。
その精神構造は、カルト教団に身を寄せる信者のそれと、それほど、ちがわない。あるいはまったく同じ。「自分はまとも」と思いつつ、どんどんと、(まともでない世界)へと、入っていく。
そして気がついたときには、愚にもつかないような、とんでもない、つまりは常識ハズレなことをし始める。
これからは勉強だけが、すべての時代ではない。韓国や中国、それに台湾やシンガポールは別として、世界は、すでにそういう方向に動いている。日本だけが、先進国(?)でありながら、いまだに、旧態依然の学歴社会を、引きずっている。
……とまあ、否定的なことばかりを書いても意味がないので、正論を書く。
【大切なのは、勉強グセ】
小学生のうちならまだしも、五、六年生、さらには中高校生になったら、大切なのは、勉強グセである。
自分で教科書を開き、自分で読み、自分で理解する力である。
私は生徒が、五、六年になったら、自分でそれができるように指導する。よく進学塾を見ると、講師が、黒板の前に立って、ガンガンと授業している風景をみかける。しかしあんな授業で効果があるのは、せいぜい、小学五、六年まで。
常識で考えてみればよい。みなが、同じレベルの子どもならまだしも、(できる子ども)にとって、できる問題の説明など意味はない。一方(できない子ども)にとっては、そんな説明、一回や二回程度聞いたぐらいでは、頭に入らない。
仮に問題を解くにしても、自分で解いてみて、つまずいたところで、解答を見ればよい。
そのままそれでその勉強は終わる。時間にすれば、5分もかからないだろう。
それを30分とか40分とか講師は、説明する。親たちは、そういった時間のロスを、計算してみたことがあるのだろうか。
つまり大切なのは、(勉強グセ)。これをいかにつけるかが、重要。またその勉強グセさえしっかりしていれば、仮に中学受験や高校受験で失敗しても、その先で、伸びる。大学受験で失敗しても、さらにその先で、伸びる。
反対に、今、目的の中学や高校へは入学はしたものの、そのまま燃え尽きてしまう子どもの多いこと、多いこと。市内でもナンバーワンと言われている、S進学高校でも、約5%の子ども(高一)が、そのタイプの子どもだそうだ。
燃え尽きないまでも、入学と同時に、戦意をなくす子どもとなると、何割かがそうであるという。ある高校の教師が、こっそりと、私に、そう話してくれた。
が、親には、それがわからない。いや、わからないことを責めているのではない。だれだって、白紙の状態で、子育てを始める。とくにこういう不安な世の中になると、さらに大きな心のエアーポケットができる。
そこで親が考えるべきことは、(勉強グセ)ということになる。そのクセをどう育てるかだけを考えて、子どもの勉強を組みたてる。一日単位のリズム、一週間単位のリズム、一か月単位のリズム。さらに学期単位のリズム、一年単位のリズムなど。
そういうリズムを感じたら、それを大切に守り育てていく。子どもに勉強グセをつけるには、その方法しかない。とくに低学年の間は、「勉強させよう」とか、「いい成績を」という考え方は、最小限におさえる。そのかわり、子どもの中に、「勉強は楽しい」という前向きな印象だけを育てていく。この前向きな印象が育てば、あとは子どもは、自分で自分の道を選択していく。伸びていく。
そのための方法については、これから先、追々、説明するとして、子どもの勉強のことで、不安になったり、心配になったら、自分自身の育児ノイローゼを疑ってみることも忘れてはならない。へたをすれば(うつ)になり、さらにへたをすれば、その影響は、モロに子どもに伝わる。
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。