
適切な幼児教育は後の人間形成において大変重要であると考えていますが注意していただきたいことがあります。
幼児教育は完璧な育児や教育を推奨するものではないということです。
・愛情が第一を忘れない
・他の子どもと比較をしない
・完璧主義にならない
・結果を期待しすぎない
・ゆったりとした心を持つ
子どもへの過剰な期待は親子共に大きなストレスになる危険性あります。
ゆったりと構え、少しくらい上手くいかなくても「まぁ、いっか。」に考えられることが幼児教育を続けられるポイントになります。
「環境論」について はやし浩司先生の子育て随筆
なぜ受験生が、受験勉強をするかといえば、それは、自分の周囲の「環境」を変えたいからである。中学生は、中学生であるという環境を、高校生は、高校生であるという環境を、それぞれ変えたいからである。
どこか突飛もない話に聞こえるかもしれないが、「変えられない」立場で、考えてみると、それがよくわかる。
A君(小学六年生)は、それなりに勉強がよくできた。水泳が得意で、水泳の世界では、よく市の大会や、そしてときどき、県の大会にも、顔を出した。が、それほど、頭のキレる子どもではなかった。
が、父親と母親は、そんなA君の能力を誤解した。
受験が近づくと、進学塾へ入れ、さらに家庭教師を二人つけた。が、A君は、とたんにオーバーヒート。家庭教師をしたX氏(30歳くらい)の話によると、その時間の間、何かをするでもなし、しないでもない、ただダラダラと時間をつぶしていたという。
で、結果は、無残なものだった。
S中学の入試に失敗し、つづいて、A中学の入試にも失敗した。この時期の子どもには、過酷過ぎるほどの経験である。A君は、とたんに、無気力状態になってしまった。つまり「環境」に対して戦う気力をなくしてしまった。
こういうのを心理学では、「学習性無気力症状」という。何度か失敗を重ねるうち、「環境」にのみこまれてしまう。
こうして多くの人は、環境に対して従順な人間へと、なっていく。昔の言葉を借りるなら、「もの言わぬ従順な民」へと、育てられていく。
実は、教育のこわいところは、ここにある。「伸ばす」というよりも、その一方で、子どもに容赦なく、「あきらめ」を押しつけていく。そして無意識であるにせよ、子ども自身も、自ら、「ダメ人間」のレッテルを張っていく。
それはそれとして、私が言う「環境」というのは、そういう意味である。子どもたちには、子どもたちを包む環境がある。そしてどんな子どもも、その環境を自ら、変えたいと思っている。
受験勉強は、まさに、その一つの現れでしかない。スポーツでがんばる子どもも、そうだし、非行グループに入って、暴力行為を繰りかえす子どもだって、そうだ。あなただって、私だって、そうだ。
たとえば今、私は、こうして懸命にものを考え、ものを書いている。なぜそうするかといえば、今の私のおかれた環境を変えたいからである。この年齢になると、もう「有名になりたい」とか、「力がほしい」などとは、思わない。思ったとたん、別の私が、「それがどうした」と、それを打ち消してしまう。
こういう状態になると、「環境」のもつ意味が、ズシリとわかる。今の、私の心境は、まさに受験生の心境とどこも、ちがわない。
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。