
適切な幼児教育は後の人間形成において大変重要であると考えていますが注意していただきたいことがあります。
幼児教育は完璧な育児や教育を推奨するものではないということです。
・愛情が第一を忘れない
・他の子どもと比較をしない
・完璧主義にならない
・結果を期待しすぎない
・ゆったりとした心を持つ
子どもへの過剰な期待は親子共に大きなストレスになる危険性あります。
ゆったりと構え、少しくらい上手くいかなくても「まぁ、いっか。」に考えられることが幼児教育を続けられるポイントになります。
「一人っ子の問題」について はやし浩司先生の子育て随筆
よく一人っ子が、話題になる。「一人っ子の問題点は何か?」と。
もちろん子どもが一人であることによる、問題が、ないわけではない。しかしそれ以上に、大きな問題は、子どもの問題ではなく、親の問題である。
よく『子どもも、三人、育てて、親も一人前』という。それはそのとおりで、親も、二人目、三人目になって、はじめてうまく子育てができるようになる。その一方で、たいてい、長男(長女)の子育てでは、失敗する。
手をかける、時間をかける、お金もかける。そして毎日が、不安の連続。「無事、幼稚園へ入れるだろうか」「無事、小学校へ入れるだろうか」と。
親を責めているのではない。その親にとっては、何もかも、はじめて。昔なら、そばに祖父母がいて、あれこれアドバイスしてくれた。しかし、今は、それもない。
が、二人目、三人目となると、親のほうに、心の余裕ができてくる。何か問題が起きても、「まあ、こんなもの」と乗りきることができる。そうした親側の余裕が、一方で、子どもを、伸びやかにする。
つまり、一人っ子は、まさに下に弟や妹がいない、長男もしくは、長女ということになる。
が、ここで誤解してはいけないのは、そのときでも、子どもに問題があるのではなく、親の育て方に問題があるということ。
こういう例は、本当に、多い。
過干渉と溺愛で、ハキのない子どもにしておきながら、「どうしてウチの子は、元気がないのでしょう」と相談してくる、親がいる。
無理や強制を、重ねるだけ重ね、子どもを勉強嫌いにしておきながら、「どうしてウチの子は、勉強しないのでしょう」と相談してくる、親がいる。
親は、子どもに何か問題が起きると、その子どもを、何とかしようとする。「なおす」という言葉を使う人も多い。
しかし問題は、繰りかえすが、子どもにあるのではな。親の育て方にある。どうして、世の親たちよ、それに気づかない!
で、一人っ子についても、同じ。一人っ子の問題は、総じて、親の問題と考えてよい。
こんなことがあった。
小五の女の子に、Rさんという子どもがいた。行動的で、頭もよい。利発で、その上、性格も安定していた。そのRさんについて、Rさんの母親が、ある日、こう言った。
「毎日、大喧嘩です。生意気で、私の言うことなど、まったく聞きません。その上、家では勉強しなくて、困っています」と。
このケースのばあい、Rさんには、まったく問題はなかった。Rさんの母親は、ほかに、
「今に非行少女になるのでは……」「今に構内暴力事件を起こすのでは……」とも、言っていた。
しかしその心配は、まったくなかった。そんなことは、少し子どもを見る目の人なら、すぐわかる。
問題は、Rさんの母親にあった。
Rさんは、親離れを始め、思春期の反抗期にさしかかっていた。この時期、子どもの精神状態は、いつも緊張した状態になる。ささいなことで、突発的にピリピリしたりする。
むしろ、そうした反抗期のない子どものほうが、心配なのである。
が、Rさんの母親には、それが理解できなかった。何しろ、「すべてが、はじめての経験」である。だからRさんのささいな言動をとらえては、母親は、ことおさら大げさに、それを悩んだ。問題にした。
しかも一人っ子ということで、親の関心が、どうしても、その子どもだけに集中してしまう。つまり日常的に過関心状態になる。
だから一人っ子のときは、親が過保護傾向にあると、極端な過保護に走りやすくなる。
過干渉、溺愛についても、そうである。
Rさんのケースでも、Rさんには、何も問題はなかった。問題は、母親にあった。しかし母親は、それに気づいていなかった。会うたびに、顔を曇らせて、「どうしてでしょう?」「どうしてでしょう?」と、相談してきた。
そこで教訓。
一人っ子のときは、親は、さらに人一倍、子どもについての知識をもたねばならない。何ごとも、一回かぎりの、まさに一発勝負。子どもにかかわりあう時間が多いだけに、失敗するときは、失敗する。しかも一度失敗すると、その失敗も、大きい。子どもに対する期待が大きいと、なおさら、そうだ。
そして子どもに何かの問題を感じたら、子どもの問題と思うのではなく、親自身の問題と思うこと。そして「子どもをなおそう」と考えたら、「自分をなおそう」と思うこと。つまり一人っ子の問題は、かぎりなく、親自身の問題と考えてよい。
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。