
適切な幼児教育は後の人間形成において大変重要であると考えていますが注意していただきたいことがあります。
幼児教育は完璧な育児や教育を推奨するものではないということです。
・愛情が第一を忘れない
・他の子どもと比較をしない
・完璧主義にならない
・結果を期待しすぎない
・ゆったりとした心を持つ
子どもへの過剰な期待は親子共に大きなストレスになる危険性あります。
ゆったりと構え、少しくらい上手くいかなくても「まぁ、いっか。」に考えられることが幼児教育を続けられるポイントになります。
「帰宅拒否をする子ども」について はやし浩司先生の子育て随筆
不登校ばかりが問題になり、また目立つが、ほぼそれと同じ割合で、帰宅拒否の子どもがふえている。S君(年中児)の母親がこんな相談をしてきた。
「幼稚園で帰る時刻になると、うちの子は、どこかへ行ってしまうのです。それで先生から電話がかかってきて、これからは迎えにきてほしいと。どうしたらいいでしょうか」と。
そこで先生に会って話を聞くと、「バスで帰ることになっているが、その時刻になると、園舎の裏や炊事室の中など、そのつど、どこかへ隠れてしまうのです。そこで皆でさがすのですが、おかげでバスの発車時刻が、毎日のように遅れてしまうのです」と。
私はその話を聞いて、「帰宅拒否」と判断した。
原因はいろいろあるが、わかりやすく言えば、家庭が、家庭としての機能を果たしていない……。まずそれを疑ってみる。
子どもには三つの世界がある。「家庭」と「園や学校」。それに「友人との交遊世界」。
幼児のばあいは、この三つ目の世界はまだ小さいが、「園や学校」の比重が大きくなるにつれて、当然、家庭の役割も変わってくる。また変わらねばならない。
子どもは外の世界で疲れた心や、キズついた心を、家庭の中でいやすようになる。つまり家庭が、「やすらぎの場」でなければならない。が、母親にはそれがわからない。S君の母親も、いつもこう言っていた。「子どもが外の世界で恥をかかないように、私は家庭でのしつけを大切にしています」と。
アメリカの諺に、『ビロードのクッションより、カボチャの頭』(アメリカの劇作家のソロー)というのがある。つまり人というのは、ビロードのクッションの上にいるよりも、カボチャの頭の上に座ったほうが、気が休まるということを言ったものだが、本来、家庭というのは、そのカボチャの頭のようでなくてはいけない。あなたがピリピリしていて、どうして子どもは気を休めることができるだろうか。そこでこんな簡単なテスト法がある。
あなたの子どもが、園や学校から帰ってきたら、どこでどう気を休めるかを観察してみてほしい。
もしあなたのいる前で、気を休めるようであれば、あなたと子どもは、きわめてよい人間関係にある。
しかし好んで、あなたのいないところで気を休めたり、あなたの姿を見ると、どこかへ逃げていくようであれば、あなたと子どもは、かなり危険な状態にあると判断してよい。もう少しひどくなると、ここでいう帰宅拒否、さらには家出、ということになるかもしれない。
少し話が脱線したが、小学生にも、また中高校生にも、帰宅拒否はある。帰宅時間が不自然に遅い。
毎日のように寄り道や回り道をしてくる。あるいは外出や外泊が多いということであれば、この帰宅拒否を疑ってみる。
家が狭くていつも外に遊びに行くというケースもあるが、子どもは無意識のうちにも、いやなことを避けるための行動をする。
帰宅拒否もその一つだが、「家がいやだ」「おもしろくない」という思いが、回りまわって、帰宅拒否につながる。
裏を返して言うと、毎日、園や学校から、子どもが明るい声で、「ただいま!」と帰ってくるだけでも、あなたの家庭はすばらしい家庭ということになる。
【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。