
適切な幼児教育は後の人間形成において大変重要であると考えていますが注意していただきたいことがあります。
幼児教育は完璧な育児や教育を推奨するものではないということです。
・愛情が第一を忘れない
・他の子どもと比較をしない
・完璧主義にならない
・結果を期待しすぎない
・ゆったりとした心を持つ
子どもへの過剰な期待は親子共に大きなストレスになる危険性あります。
ゆったりと構え、少しくらい上手くいかなくても「まぁ、いっか。」に考えられることが幼児教育を続けられるポイントになります。
「子どもの体力」について はやし浩司先生の子育て随筆
何かの調査で、逆上がりのできない子どもや、長距離走をしても、途中で座りこんでしまう子どもが、ふえていることがわかったそうだ。
(「三年生の四つのクラスで、逆上がりをさせたところ、できた児童は、一クラスあたり、わずか4〜5人。腕力不足から、自分の体を支えることができない子どももいた」(日教組、教育研修全国集会))
こういう調査で注意しなければならないのは、「昔はできたが……、今はできない」という論法である。いつも、その「昔」に基準をおく。
三〇年ほど前には、ナイフで、鉛筆を削れない子どもが問題になった。そのあと少しして、ソロバンができない子どもが問題になった。そのころすでに電卓が、広く使われるようになっていたから、私は、こう思った。「ソロバンの時代は、終わったのに……」と。
時代は、変わる。子どもも、変わる。そこで大切なのは、(できなくなった)ことを、退化ととらえるか、それとも、変化ととらえるか、その視点を見失ってはいけないということ。この視点を見失うと、何がなんだか、わけがわからなくなってしまう。
実は私も、子どものころ、鉄棒だけは、苦手だった。逆上がりにしても、たしか小学二年生の終わりまで、できなかったような記憶がある。どうしてもコツが、のみこめなかった。しかし、だ。
どうして逆上がりなど、できなければいけないのか?
私は腕白少年で、活動的だった。敏捷(びんしょう)性もあった。ハンドテニス、軟式ボールの野球(ワンバウンド野球)など、どれも得意だった。泳ぐのも、うまかった。しかし鉄棒だけは、苦手だった。あるとき、「あんなサルのようなマネなど、できるか!」と、思ったことさえある。
今、子どもたちの体力は、どんどんと落ちている。私にも、それがわかる。夏場になると、クーラーなしでは、呼吸も楽にできない子どもさえいる。青白い顔をして、ハーハーとあえぐ。胸をかきむしる。
決して無視してよい問題ではない。ある意味で、深刻な問題である。しかし反対に、では逆上がりができるようになれば、こうした問題が解決するかといえば、そうでもない。問題の「根」は、深く、大きい。
そこで学校では……、という話は書きたくない。子どもの問題を、すべて学校で解決しようという発想そのものが、まちがっている。仮に体力が落ちたとしても、それは学校の責任ではない。このことは反対の立場で考えてみればわかる。
教育はもちろん、しつけ、心理、衛生、家庭教育、もろもろの指導、健康に安全教育などなど。すべて学校の先生に押しつけるほうが、おかしい。まちがっている。こういう発想がつづくかぎり、問題は、何も解決しない。しないばかりか、つぎからつぎへと、新しい問題が起きてくる。そしてそのたびに、教育現場が混乱する。
学校の先生にしても、もうこれ以上、仕事を引き受けないことだ。できないことは、できないとはっきり言えばよい。上から言われるまま、すべての問題を背負い込んでしまうから、疲れる。神経をすり減らす。あるいはかえって、教育そのものが、なおざりになる。
今度の調査でも、いろいろな学校の取り組みが紹介されていた。『忍者修行』を取り入れている学校の話も書いてあった。方法としては、いろいろあるのだろうが、しかし……。
結局は、「家庭教育がなっていない」ということを言いたいのだろう。この報告をした、S教師は、「幼少期に遊びの中で、基礎的な体力をつけていない子がふえている」と説明している。考えてみれば、当たり前の結論だが……。
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。