適切な幼児教育は後の人間形成において大変重要であると考えていますが注意していただきたいことがあります。
幼児教育は完璧な育児や教育を推奨するものではないということです。
・愛情が第一を忘れない
・他の子どもと比較をしない
・完璧主義にならない
・結果を期待しすぎない
・ゆったりとした心を持つ
子どもへの過剰な期待は親子共に大きなストレスになる危険性あります。
ゆったりと構え、少しくらい上手くいかなくても「まぁ、いっか。」に考えられることが幼児教育を続けられるポイントになります。
「仮面」について はやし浩司先生の子育て随筆
心を開かない人とは、どういう人を言うのか?
数日前、「からくり人形」をテーマにした、バラエティ番組(NHK)を見た。一本、一本を矢を矢立から抜いて、弓にこめ、その矢を射って、的に当てる……。そんなからくり人形もあった。
あるところまではテレビ局側で説明し、「では、これは?」というような問いかけで、番組は、進行した。よくある、バラエティ番組形式である。
で、私は、その出演者の中の、T氏という男性に注目した。昔から時代劇の俳優として活躍している人である。そのT氏は、新しいからくり人形が紹介されるたびに、「ほほう!」とか、「これは!」と言って、ことさら驚いてみせていた。
で、私は、やがてそれが演技であることを知った。(私は、さも驚いています)というような驚き方なのである。それが実に、おおげさ。不自然。ときどき、視線が、チラチラと、カメラかテレビ画面のほうへ走るのも、わかった。
私も、そのからくり人形を見て、驚くには驚いた。しかしそういったものを見るのは、決して、はじめてではなかった。最近では、G社という出版社が、書店やおもちゃ屋で、そういったからくり人形を、完成品で売っている。
が、私の驚き方は、静かなものだった。たまに「ほう!」というような声をあげることはあったが、あとはニンマリと笑う程度。T氏のような「芸能」の世界を渡りあるいている人なら、その程度のからくり人形なら、どこかで見たことがあるはず。「ああまで、どうして驚くのかな?」と、むしろ、そちらのほうを不思議に思った。
……と書いて、何も、私は、T氏を批判しているのではない。そういった演技的な驚き方が、まずいと言っているのでもない。私は、ワイフと、その番組を見ながら、こんな会話をした。
私「いいか、このT氏を見てごらん。このT氏は、おおげさに驚いてみせている。だけど、決して、驚いてはいない」
ワイフ「そうね。番組を盛りたてているだけよ」
私「つまりね、番組に合わせて、同調しているだけ。しかし心は、まったく開いていない」
ワ「私にも、わかるわ」
私「こういう人が、近くにいると、それだけで疲れるよ。たとえば何かのパーティで、(パーティでは、こういうことをするものだ)と思いこんで、騒ぐ人がいる。ギャーギャーと、ね。そういう人が近くにいると、こちらも、そうしなければならないという思いに、追いたてられる。だから、疲れる」
ワ「つまり、自分で自分を作っているのね。本当の自分は、どこかへ置いておいて、その場の、雰囲気に合わせて、みなが喜ぶように騒ぐってことね」
私「そうだよ。一見、心を開いているかのように見えるが、その実、心は開いていない。計算ばかりしている」
ワ「どこか不自然ね」
私「そうだ。心を開いていない人の言動は、どこか不自然になる」と。
子どもの世界にも、愛想のよい子どもというのがいる。相手にへつらう、相手の機嫌をとる、相手に取り入る、調子を合わせる、など。何か珍しいものを見せたりすると、おおげさにそれに驚いてみせたり、びっくりした様子を見せたりする。つまりそういう形で、相手を喜ばせようとする。
このタイプの子どもは、一見親しみをもちやすい。しかしその実、心は開いていない。
いつも「自分が、周囲の者に、どう見られているか」「どうすれば、いい人間に見られるか」
「見せることができるか」と、そんなことばかりを気にしている。
自分というものが、どこにあるかさえわからない。たとえばここにあげたT氏が、そうである。ここにも書いたように、(私は、さも驚いています)というような驚き方で、驚いてみせる。
「こういう人は、疲れるだろうな」と私。「番組が終わって、ホテルへでも入ったら、グッタリよ」とワイフ。
私はそのT氏を見ながら、「心を開かない人というのが、どういう人か、それを知りたければ、こういう番組を見ればいい」と思った。
そのあとその番組では、いくつかのからくり人形を紹介していた。そしてそこに、日本人のもの作りの原点があるというようなことを言っていた。番組自体は、おもしろく、興味深い内容だった。
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。