
適切な幼児教育は後の人間形成において大変重要であると考えていますが注意していただきたいことがあります。
幼児教育は完璧な育児や教育を推奨するものではないということです。
・愛情が第一を忘れない
・他の子どもと比較をしない
・完璧主義にならない
・結果を期待しすぎない
・ゆったりとした心を持つ
子どもへの過剰な期待は親子共に大きなストレスになる危険性あります。
ゆったりと構え、少しくらい上手くいかなくても「まぁ、いっか。」に考えられることが幼児教育を続けられるポイントになります。
カルト抜き はやし先生の子育て応援
子どもが不登校的な症状を見せたりすると、たいていの親は、その瞬間、パニック状態になる。その気持ちは、よくわかる。そして自分が感じた不安や心配を、直接、子どもにぶつけてしまう。
「学校へ行きなさい!」「いやだア!」と。
ときに親は、子どもをはげしく叱ったりする。しかし親のこの一撃が、子どもの症状を、決定的なまでに、悪化させる。しかし親には、その自覚がない。「子どもが学校へ行かなくなってしまったら、どうしよう……」と、そんなことばかりを、先に考える。
では、どうするか? ……ということを書いても、意味がない。親の根底に、学歴信仰、学校神話が残っているかぎり、この問題は解決しない。子どもは、親の不安や心配を敏感に感じとってしまう。いくら、親が、口先で、「学校へ行きたくなければ、行かなくてもいいのよ」と言ったところで、意味はない。
子どもは、親の心の奥の部分、つまりシャドウを読んでしまう。
つまりそのシャドウを消さないかぎり、この問題は、解決しない。それを、「カルト抜き」という。学歴信仰というカルトを抜く。
ところで、例えば忌まわしい事件を引き起こしたO教というカルト教団が、またまた活動を活発化させているというニュースを見たりすると、たいていの人は、こう思うにちがいない。「私は、ちがう」「私には、関係ない」「私は、カルトなど信仰していない」と。
しかし本当にそうだろうか? そう言い切ることができるだろうか?
実は、学歴信仰というのは、立派な、カルトである。ただ日本中の親たちがそのカルトを信仰しているから、自分ではわからないだけ。日本から一歩、外に出てみると、それがよくわかる。
つまりそのカルトを抜かないかぎり、ここでいう不登校の問題は解決しない。仮に、子どもが、午前中だけでも、学校へ通うようになると、親は、こう言う。「何とか、給食までいっしょに、食べるようになってほしい」と。さらに給食までいっしょに食べるようになると、今度は、「午後まで勉強するようになってほしい」と。
逆のこともある。
今にも不登校児になりそうな子どもがいた。小学2年生の男の子だった。その子どもは、そのとき、それでも何とか、学校へは行った。しかし午前中の1、2時間は、保健室や理科室で、時間を過ごした。
やっと元気になるのは、3、4時間目くらいからで、ときには、昼休みに時間になってから、教室へもどっていった。
それについて母親から、「どうすればいいでしょう」という相談があった。が、私は、こう言った。
「細い糸かもしれませんが、それを切ってはいけない。お母さんは、子どもを『なおそう』としているが、なおそうなどと思ってはいけない。現状維持だけを考えてください」と。
こうした問題には、必ず、二番底、三番底がある。親は、そのときの状態を最悪と思うかもしれないが、その最悪の下には、まだ別の「底」がある。この段階で無理をすれば、その二番底、三番底へ落ちてしまう。
母親「では、どうすればいいのでしょうか?」
私「よくがんばっているわねと、ほめてあげてください」
母親「ほめるんですか?」
私「子どもの立場で考えてみてください。行きたくない学校へ、重い足を引きずりながら、行っているのですよ。」
子どもはそのつらい気持ちと、毎日、戦っているのです。だから、ほめるのです」
母親「でも、このままでは、うちの子は、ダメになってしまいます」
私「何が、ダメになるのですか。何も、ダメなんかには、なりませんよ」
母親「学校へ行かなくなってしまったら、どうするのですか?」
私「いいじゃないですか。そうなっても。お母さんが、あれこれクヨクヨと心配している分だけ、子どもの心は不安定になります。不登校が不登校として、長引いてしまいます。子どもが、その気持ちを感じ取ってしまうからです」と。
そこで親は、心底、こう思わなければならない。「いいのよ、学校なんて、行きたくなければ行かなくても!」と。口先だけではいけない。心底、そう思わなければならない。そのために、ここでいうカルト抜きをする。とたん、子どもの表情は明るくなる。そしてしばらく時間をおいたあと、また学校へ行くようになる。前に、『あきらめは、悟りの境地』というエッセーを書いた。これも、その悟りの境地のひとつということになる。
【付記】
邪悪な「学歴信仰」を隠しながら、子どもに、「勉強しなさい」と言っても、子どもは、勉強しない。子どもは、親の、心の奥底、つまりは、下心を読んでしまう。
教育の世界でも、同じようなことが起きることがある。
ある進学塾の講師は、こう言った。「生徒というのは、いくらいい大学へ入っても、進学塾へは、礼にはこないものですよ」「結婚式などに招待されるケースは、1000に1つもありません」と。
当然である。親も子どもも、進学塾の講師の下心を、進学塾に通っているときから、すでに見抜いている。
「教室」という場所でも、教える側は、「無私」でなければならない。そこにほんの少しでも、雑音が入ると、やがて子どもは、教師の指導に従わなくなる。1年や2年なら、何とかごまかすことはできるが、3年、4年となると、そうはいかない。
昔、月謝袋を、つめ先で、ポンとはじいて、「先生、あんたのほしいのは、これだろ」と言った高校生がいた。私はその場で、即刻、その子どもを、退塾させたが、今から思えば、その子どもの言ったことは、正しかった。当時の私は、経営を第一に考えて、仕事をしていた。彼は、その私の心を見抜いていた。
情報・画像の出展:はやし浩司先生
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。