ゲーム脳

 

ゲーム脳  はやし浩司先生の教育アドバイス

はやし浩司先生 年末、子どもたち(小学生)に、「クリスマスには、どんなプレゼントがほしいか」を聞いてみた。
いろいろな返事が返ってきたが、その中でもいちばん多かったのが、ゲーム機器、あるいはそのソフト。
今は、そういう時代である。

で、今ごろ多くの子どもたちはそれを手にして、夢中になってゲームをしているにちがいない。
そういう子どもたちの脳みその中は、どうなっているのか?

少し前、「ゲーム脳」という言葉が、話題になった。
「ゲームばかりしていると、脳のある特定の部分だけが覚醒し、その他の部分は眠ったような状態になってしまう」と説く学者が現れた。
それにたいして、「ゲーム脳など、存在しない」と説く学者も現れた。
後者の学者は、現在、ゲームの世界では、カリスマ的な存在となっている。

しかしゲーム脳があるとか、ないとかいう議論そのものが、ナンセンス。
ゲームは、子どもたちの世界に大きな影響を与えている。
(もちろんゲームの内容にも、よるが……。)
そのため様子がおかしくなってしまった子どもとなると、ここにも、そこにも、それこそゴマンといる。
何も脳みそだけの問題ではない。

毎日、2〜4時間も、「殺せ!」「やっつけろ!」「1000点、ゲット!」とやっていて、子どもの精神が無事ですむはずがない。
ものごとは常識で考えたらよい。

で、そういう子どもの脳みその中でも、同じような反応が起きていると考えてよい。
新しいゲームが発売になるたびに、猛烈な勢いでドーパミンが分泌され、それが線条体を刺激する。
とたん、グググーッと、そのソフトがほしくなる。

●脳みその中の反応

そこで大切なことは、(1)自分の脳みその中の反応を、できるだけ客観的に知ること。
つぎに(2)それを理性の力で、コントロールすること。
理性の力を強くするためには、自ら考える力を養う。
言うまでもなく、考える力というのは、(論理力)と(分析力)で決まる。
それを司るのが、左脳。
そして脳全体をコントロールするのが、前頭前野の連合野ということになる。

もちろん脳みその中を見ることはできない。
しかし脳みその中で、どういう反応が起きているかを、想像することはできる。
その想像を繰り返していると、「ああ、今、ドーパミンが分泌された」
「条件反射が起きている」と、観念的にわかるようになる。
(あくまでも観念的。そういうような感じがするだけだが……。)

たとえば今、あなたはこの文章を見ている。
パソコンのモニターに映った文字を読んでいる。
しかしそれは大脳の後頭部にある、脳みその中のモニターを見ているにすぎない。
最初は、そう言われても、あなたは納得しないかもしれない。
「私は自分の目で、目の前のものを見ている」と。
しかし実際には、そう見えるだけ。
少し訓練すると、何となくそれがわかってくる。
今、あなたが見ているものは、大脳後頭部にある、脳みその中のモニターに映った像にすぎない。
それを目の前に映った像と、錯覚しているにすぎない。

(脳というのは、そういう意味では、ずいぶんといいかげんなものだが……。)

同じように、あなたが何かをしたいとか、ほしいと思ったときも、そうだ。
少し訓練すると、脳みその中で、反応が、どういう順序で、どのようにしてあなたに作用しているか、何となくそれがわかってくるようになる。

●ブレーキ

そこでブレーキということになるが、今年の正月は、何もあえてブレーキなど、かける必要はない。
だいたいお金が、ない。
今またパソコンがほしいなどと言おうものなら、ワイフが黙っていないだろう。
それに3つもあっても、しかたない。
今の今ですら、2つのパソコンをもてあましている。
そこで最後の方法。

今朝、息子にこう言った。
「なあ、お前、パパが今使っている、このミニ・パソコンを、あげようか?」と。
すると息子は、あっさりと、こう言った。
「いらない」と。

これで最後の望みも絶たれた。
あとはあきらめて、ぐっとがまんするしかない。
今がそのとき。
自分で自分の脳みそをコントロールするしかない。
ドーパミンの分泌を抑制するしかない。
簡単に言えば、ほかのことに神経を集中して、ミニ・パソコンのことは忘れる。
あとは数日、様子をみる。
「これはビョーキは、ビョーキだ」と、自分に言い聞かせながら……。

(追記)

先日、浜松市市内で、あるドクターの家に、ドロボーが入った(報道)。
現金数百万円のほか、何と高級時計ばかり数千万円分が盗まれたという。
たぶん、そのドクターは、高級時計のコレクターだったにちがいない。
しかし数千万円分というのには、驚いた。
それこそ、時計などというのは、数個あればよい。
それで足りる。
……と考えるのも、ヤボ。
そのドクターは、時計のカタログを見ただけで、脳の中で、ドーパミンが猛烈に分泌されるのだろう。
それが線条体を刺激して、強烈な条件反射が起きる。
「ほしい」という欲望が、ドドドーッとわいてくる。
自分で自分をコントロールできなくなる。
そしてその結果が、数千万円となった(?)。
つまりは、ドーパミンの力(ドーパミン効果)というのは、それほどまでに
強烈ということになる。



情報・画像の出展:はやし浩司先生

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【はやし浩司先生のプロフィール】

はやし浩司先生1947年岐阜県生まれ。

金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。

独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。

現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。

●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。

うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。

「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。

●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。

●現在は、インターネットを中心に活動中。

メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、

電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。

「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。

(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)

過去の代表的な著書

子育て格言ママ100賢1子育て格言ママ100賢子育て格言ママ100賢子育てはじめの一歩

子どもの心・100の育て方目で見る漢方診断クレヨンしんちゃん 野原家の子育て論子育てストレスが子どもをつぶす

ドラえもーん・野比家の子育て論 子育て最前線のあなたへ受験に克つ子育て法ポケモン・カルト―あなたの子どもがあぶない!

・・・などなど30冊余り出版されています。

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最前線の子育て論byはやし浩司(メルマガ版) メルマガ版「最前線の子育て論byはやし浩司」は2007年10月、
60000誌の中で、TOP-ONEに評価され、2008年のメルマガオブザイヤーを受賞しています。

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しかし、先生は博識ですね〜。
お孫様のかわいい画像と、日記、教育論を掲載しています。

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