「育児書なんて、いらない」(ギョッ!) はやし浩司先生の教育アドバイス
よほど、ひねくれているのか、不勉強な人なのかは、知らない。しかしあちこちの電子マガジンを調べていると、この種のタイトルのマガジンに、よく出会う。
「育児書なんて、いらない」「育児論は、役にたたない」と。中には「育児論には、だまされないぞ」(M社・仮題)というタイトルのマガジンもあった。(ゾーッ!)
つまり私のような育児アドバイザーの意見など、価値がない、と。
若者の中には、おとなの意見に、アレルギー(拒否)反応を示す人がいる。まったく耳を傾けようとしないばかりか、何かを言っても、それを即座に否定してしまう。こういうのを拒否的態度という。脳の機能の変調説が、有力である。心の抑圧状態が長くつづくと、そういう反応を示すようになる。
かわいそうな若者たちだ。どこか心がひねくれている。そういうマガジンを出している人は、そういう若者と、同じ? あるいは、ちがわない?
このことは、反対の立場で考えてみるとわかる。
そういったマガジンを書く人は、いったい、何人の子どもを見てきたというのだろうか。一人か、二人。多くても、三人? そういう人にかぎって、「子育てをしたのは、自分の子どもだけ」という人が多い。つまり「自分の子どもに合わなかったから、育児家の書いた、育児書は役にたたない」と。
たしかに私たちの書く育児論には、限界がある。はっきり言えば、子どもの数だけ、育児論がある。
しかしそういう育児論を、集約し、一つの「論」として、まとめあげていく。それが、私たちの仕事である。「不完全であるから、ダメだ」というのは、あまりにも短絡的な意見でしかない。
それとも、あなたは、たった一人の子ども(あるいは多くて、数人)しか、子どもを育てたことがのない人の育児論に、耳を傾けるだろうか。参考にはなるが、それを「すべて」と思うのは、あまりにも危険である。
あまりにも自己中心的。被害妄想的。私は、そう感じた。
あとは、みなさんの判断ということになる。私は、そういう人たちものみこんで、前に進むしかない。がんばろう。がんばります!
【注】
だからといって、そういう人の書いた育児論が、まちがっているというのではない。ただものごとには、もう少し謙虚であってほしい。
もちろん育児家の中には、(私も含めて?)、とんでもないことを言ったり、したりする人がいる。それは事実。
数年前のことだが、不登校の子どもや、その親に向かって、怒鳴り散らして、「なおす」という、どこか(?)な女性がいた。もう10年以上になるが、心の病んだ子どもを、ヨットから突き落として、それを「なおす」という、どこか(?)な男性もいた。
だから反省すべきところは反省しなければならない。が、これだけはわかってほしい。
こうしたどこか(?)な育児論を展開する人ほど、マスコミ受けがよいということ。怒鳴って不登校をなおすという女性も、ヨットから突き落としてなおすという男性も、当初、テレビ番組などで、派手に紹介されていた。
反対に、まともであればあるほど、マスコミの関心をひくことは少ない。子育てというのはそういうもの。教育論というのは、そういうもの。もともと地味な世界である。
私としては、それがわかってもらえなくて、歯がゆくてしかたないのだが……。
(この原稿は、ボツにしようかと、最後まで、迷いましたが、掲載することにしました。かなりきわどい内容の原稿であることには、ちがいないようです。)
情報・画像の出展:はやし浩司先生
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。