学習準備

 

学習準備について



「幼児期にはのびのび育てたい。」
「幼児期は遊びが大切。この時期に勉強なんて無意味」
「幼児期に勉強を押し付けるなんて、かわいそう」

このように考える方は大変多いと思います。
もちろん上記の内容には概ね賛成です。


ただ、当サイトでは幼児期の学習準備をお勧めしています。


幼児期の教育についても様々な情報も錯綜していますので、ある意味、幼児教育を誤解をしている、もしくはご自身の身の回りのみでの狭い情報のみで判断しているという方も多くおられるようです。


幼児期の学習と聞くと、冒頭のように反対意見も多くあることは分かっています。


「私の知り合いで小さい頃から勉強漬けで頑張ってきた子がいて、
小学校低学年までは優秀児だったけど、だんだん成績も悪くなり、
中学生には普通程度、高校生になってからはほとんど落ちこぼれ状態になってしまった。」

「十で神童、十五で才子、二十過ぎればただの人」


「幼児期に教育や学習なんて意味ないよ」といった典型的な例ですが、
適切な幼児教育を受けた子どもが上記2例のようなことになることは正直考えにくいと思います。


適切な幼児教育とは、基本的に子どもが笑顔になり、やる気と自信、そして自ら考える力を持てるようにするものです。
子どもとの関わりを大切にし、健全な成長を親子で楽しみ、喜ぶことです。
幼児期の教育は与えることはほんの少しで、子ども達の様子を見ながら、見守り・引き出すことが重要だと考えています。


そして、決して強制的な教育や勉強を強いるようなやり方ではありません。
そのようなやり方で幼児に教育・勉強をさせている場合、幼児期の教育の弊害が生じる可能性が高くなってしまうでしょう。

それこそ上記2例のような状態になってしまいます。
勉強・学習に対してのやる気は削がれ、考えることに対して苦痛を生むようになる可能性が非常に高くなります。


小学校に上がれば、必然的に勉強の世界がやってきます。


「私は幼児期に外でいつも遊んでいましたが、小学生以降、いつも良い成績でした。きっと遊びを沢山してきたのが良かったのだと思います。」


なんていう方もおられるかとは思いますが、多くの場合ただ遊んでいるだけでは小学校に上がった時に苦戦が予想されます。
面倒見の良いお兄ちゃんやお姉ちゃんがいる場合や、遊びの内容や興味の方向性によっては、自然に様々なことが身に付くこともありますが、常に幼児同士のみで遊んでいても、常識や社会性、国語力などは育ちにくいと言えるでしょう。


こう言うと多くの反感を買ってしまうことは承知していますが、小学校以降の学力データから判断をすると
「教育を受ける機会」が多い子ども達の方が学力が高いという結果が出ています。
ジェームズ・ヘックマン氏の研究

それは親の経済力によって子ども達の学力が左右されてしまっているという耳が痛くなるようなデータが出ており、親の教育意識の高さや、教育に対する投資金額の差が学力差として表れているようです。
また、その学力差は小学校就学時点ですでに生じており、その後の様々な教育投資を行っても、その差が容易に縮まることがないということです。


個人レベルで判断できることではありませんが、こういった統計的なデータは信頼性の高い情報として受け入れることも大切だと思います。


小学校就学時点での学力差というのは、遺伝などで決まっているわけではありません。
子どもの生活環境や「教育を受ける機会」の差が、学力差となって表れているということです。


ノーベル経済学賞を受賞した労働経済学者ジェームズ・ヘックマン氏の研究の中で、
「仕事や社会生活で必要なモチベーションや協調性、集中力、適応力といったものは幼児期にほぼ決まってしまうと考えられている。」
とほぼ結論付けています。


「ペリー就学前計画」の研究結果(幼児教育を受けた人達の40年もの追跡調査)から、幼児期の教育がその後の人生においてどのような結果に結びついているのかを脳科学の知見に基づき、研究・分析を行った結果、
幼児期に適切な教育を行うことは、非常に大きな意味があるということを突き止めたのです。


知能については顕著な発達はあまりみられていないようですが、「仕事や社会生活で必要なモチベーションや協調性、集中力、適応力」の発達がみられ、後の経済的な成功を収める確率が高いことが証明されています。


「それなら、幼児期に勉強をさせたほうが良いのか?」

判断が難しいですが、幼児期の子ども達を同じ一括りにはできません。
子ども一人一人の成長曲線や環境、学習準備ができているかどうかなどにも左右されます。

学習準備のできているお子様なら、学習、更には勉強へ進んでも良い場合もあると考えています。

学習準備って?

簡単に言えば、遊びの中で楽しく数や文字に触れさせたり、物事に対して自分の力で考えることができるようにすることです。
そして机に向かって行う学習を無理なくできるように準備しておくことです。

日常のしつけも学習準備に必要といえます。
あまりに自由にさせすぎる方針のご家庭・常識的なしつけがいきとどいていないお子様の場合、机に向かってじっとしていることもできません。


親は、子どもとの遊びの中でも自然に数を教えようとしたり、何かについて教えようとしたりしてするものです。

それは数についての概念や、文字の認識などは機会を与えてあげることで少しずつ育っていくことを感覚的に知っているからでしょう。

幼児教育に関心がないという方でも自然と行っているものではないでしょうか。


ただ、教え込もうとしたりする気持ちや素振りがあると、子どもは感づき、嫌がるようになります。

幼児の学習準備には、「楽しい」という感覚が必要です。
遊ぶことと同じような感覚が必要なのですが、子どもの成長を望む親としてはついつい、教え込もうとする姿勢が出てしまいますので注意が必要です。

楽しく遊んでいるのに、間違っていると注意されたり、言い直させられたりしていれば、嫌になってしまうことは目に見えています。

「教育をしなければ」「何かを覚えさせよう」
という感覚が強いと、子ども達と楽しく遊ぶことはできません。

子ども達と上手に遊べる人は、子ども達と遊ぶことが楽しいと感じられる人であり、基本的に幼児の教育も上手です。

なので、幼児の学習準備をするにはまず、親が子ども達と楽しく遊べることが第一とも言えます。
一見当たり前のように聞こえますが、子どもと遊ぶことが苦手な親御様は多くいますので、苦手意識が強い方にはもしかすると幼児教室などを利用することも良い選択肢の一つかもしれません。


一昔の幼児教室とは違い、現在の幼児教室は子ども達が楽しい・また行きたいと思うような空間を作っているところが非常に多くなってきています。
知育・運動・リトミック・音楽など、様々な幼児教室がありますが、楽しさの中から学習準備や学ぶ楽しさ、学ぶ姿勢が身に付くように考えられています。


お受験を主体とした幼児教室は「お勉強」が中心ですので、よほど学習準備ができているお子様でないとくじけてしまうかもしれません。
たとえお子様のレベルに合わせたお受験対策から始めることができるとしても、目標が「お受験合格」に設定されているので、お子様の心に無理が生じてしまう可能性があるので注意が必要だと思います。


お子様に合わせた学習準備は、小学校以降の躓きを防ぎ、学習生活へスムーズに移行できるようするために必要なものだと考えています。


子ども達の学習スタイルが大きく変化する可能性

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