子どもの疑惑症(手洗いグセ)

 

適切な幼児教育は後の
人間形成において大変重
要であると考えています
が注意していただきたい
ことがあります。
幼児教育は完璧な育児や
教育を推奨するものでは
ないということです。


 ・愛情が第一を忘れない
 ・他の子どもと比較をしない
 ・完璧主義にならない
 ・結果を期待しすぎない
 ・ゆったりとした心を持つ
 子どもへの過剰な期待は
 親子共に大きなストレス
 になる可能性があります。
 ゆったりと構え、少しくら
 い上手くいかなくても
 「まぁ、いっか。」
 位に考えられることが幼
 児教育を続けられるポイ
 ントになります。 

子どもの疑惑症(手洗いグセ)  はやし浩司先生の子どもの問題・悩みQ&A

はやし浩司先生●子どもの手洗いグセについての


相談が届いています。

掲載許可がいただけましたので、少し
改変して、お届けします。

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Q:初めて相談をさせていただきます。
よろしくお願いします。

幼稚園に通う長男のことです。
もともと、人見知りをしない子で、愛想も良くいつも
ニコニコと元気のよい子だったのですが、この8月頃ごろから
急に、よく手を洗う様になり、特に幼稚園から帰ると、1時間くらいの間に5〜6回、多い時は10
回くらい手を洗うようになりました。

本人に聞くと、手が汚いから・・とか、手が臭うから・・と言って洗っていました。誰かに臭うと言
われたのか聞くと、そうじゃないと言います。でも、元々気にしない子で、いつもこちらから、洗
いなさいと言わないと洗わない子でしたのに、やたらと気にする様になりました。しかも、しょっ
ちゅう、手の匂いを嗅いで確認しています。

朝も幼稚園に行くのも嫌がり、ぐずったり、メソメソとすぐ泣くようになりました。先生に聞くと、
幼稚園でも同様のようです。それ以来、なるべく長男が手を洗うときはついて行って、一緒に洗
ってあげたり、匂いがないか確認をしたりするようにしました。

すると、手を異常に洗うことはなくなったのですが、今度は、手を全然洗いたがらなくなり、手が
汚れないために、なるべく手を使わず足を使ったり、お菓子などは、犬食いをしたり、片手にウ
エットティッシュを持って、拭きながら食べたりするようになりました。

しかも、匂いは相変わらずしょっちゅう嗅いでいます。何か触ったり、物を食べたりした時
も・・・。

メソメソするのも相変わらずで、ちょっと怒られたり、嫌な事があると、泣き出します。一度泣く
と、こちらから傍に行って、抱きしめたりするまでずーっと泣き続けます。それ以外の時は、愛
想も今は以前の様によく、元気も良いです。先生のHPを見させていただいて、もしかして疑惑
症というものではないかと、心配になり、またどのような対応をしてあげれば良いのか、教えて
頂きたく相談させて頂きました。

幼稚園の先生にも、相談してみたのですが、今までウチの子の様な行動をとる子がいなかっ
たとかで、先生も頭を悩ませているようでした。9月までは、幼稚園でも、もの凄く元気いっぱい
でいつもニコニコしていたらしく、先生にもよく褒めて頂いたくらいなので、先生も驚いているよ
うです。

ぜひ、良い対応がありましたら、教えて頂きたいと思います。宜しくお願いします。
(滋賀県M町、IKより)

【はやし浩司より、IKさんへ】

「長男」とありますから、下にお子さんがいらっしゃるのでしょうか。
ひとつのきっかけとして、下のお子さんが生まれたことが原因で、神経症に
なった可能性があります。

子どもの神経症による症状は、千差万別です。
定型がありません。

検索エンジンを使って、「はやし浩司 神経症」もしくは、「はやし浩司 手洗いグセ」を
検索してみてください。
あわせて、「はやし浩司 赤ちゃん返り」も参考にしてみてください。

また様子からみると、幼稚園の指導、もしくは友人関係に何らかの問題があるようにも
感じます。
先生が神経質であるとか、友だちとの間にトラブルがあるとか、など。

もう一つ気になるのは、「もともと、人見知りをしない子で、愛想も良くいつも
ニコニコと元気のよい子だったのですが……」という部分です。

子どもは人見知りするのが当たり前。
また見知らぬ人に対して、愛想が悪いのが当たり前。
そういう前提で考えてください。

愛情飢餓状態の中で子どもが育つと、一見、このように、人見知りしない、
愛想のよい子どもになることがあります。
どこかで親の愛情に不安を感じていないか、一度、観察してみてください。
またその「根」は、深いと思ってください。

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【子どもの心の奥にあるもの】

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よく誤解されるが、情緒不安というのは、
情緒が不安定になることではない。
(心の緊張感)がとれないことを、情緒
不安という。

心が緊張しているとき、不安や心配ごとがあると、
心は一気に不安定になる。
結果として情緒は不安定になる。
つまり情緒不安というのは、(心の緊張感)が
とれない、その結果として現れる症状をいう。

子どもの情緒不安を感じたら、まず、心の
緊張感が、いつ、どのように発生し、どのように
作用しているかを、観察する。

慢性化すれば、神経症(症状は千差万別)を
発症するようになる。
疑惑症、嫌悪症、潔癖症なども、そのひとつ。

対処法としては、(心の緊張感)をほぐすことを
第一に考える。

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【AKさんより、はやし浩司へ】

 6歳の娘と、4歳の息子がいます。6歳の娘についての、相談です。

長女はいい子で優しく素直な子です。神経質で、きっちりしている(言いつけを守る)ところもあ
ります。5歳くらいまで母子分離不安が強く近所で多数の子どもたちと遊ぶと、うちの子はなかな
か私から離れず、みんなの中に入って行くのを尻込みするタイプでした。何か心にストレスを感
じるとすぐ身体症状が出る子で、幼稚園入園後半年で円形脱毛になり、年長に上がった時に
神経因性頻尿になりました。いずれもたくさん構ってあげたりスキンシップや気分転換させると
自然に治りました。

 今困っている症状は、手を洗っても汚れがついている気がする・その手で蛇口を触れない(蛇
口をずっと長いこと洗います)・手に触れるものや口に入れるもの全てにおいて清潔か、触って
も大丈夫かの確認を何度もする・チック(目をぱちぱちする)です。手洗いに関しては、私が指
摘したせいか本人も自覚してしまってつらがっています。手洗いの際私が手を包み込んで一緒
に洗うと、ましなようです。

 弟の方はマイペースで長女のようにきっちりせず、のびのびしています。母親に対する独占
欲が強く長女といつも私を取り合う感じです。3歳頃まで泣きひきつけがひどく、あまり泣かせな
いようにしてきたからか、長女は我慢をすることも多かったと思います。次男出産後1年半は保
育所に預けていました。

 私自身にも問題があります。一度火がつくと自分でもコントロールできない程激しく叱ってしま
うのです。私の母親が普段は優しく愛情深いのですが、怒るとすごくこわく、いわゆるヒステリー
タイプで、毎日夫婦喧嘩の声(母の怒った声)に子どもの頃から心が休まらない家庭でした。母
の顔色を伺いながら生きてきた自分を考え、自分は絶対そんな思いは子どもにさせまいと思い
続けて母親になりましたが、時々自分の中に母親の影をみることがあります。

特に生理前などはイライラが強く、子どもにきつく怒ってしまいます。その度に自己嫌悪に陥り反
省し、よし明日からはとがんばるのですが、1ヶ月くらいたったある日それまでの努力を自分で
台無しにするような怒り方をして、また反省し繰り返しです。こんな自分も嫌です。どうにかして
治したいのですが。夫に私がきつく怒りすぎて子どもが萎縮していると指摘を受けました。

 今回長女の強迫的な行動におろおろし、いろいろ調べたところ、はやし先生の相談者に対す
るアドバイスを読み、今まで長女は繊細であれこれ困ったことが起きるなと思っていたのは、す
べて私が原因だったのでは?、と思いました。長女に対して今最大限のスキンシップをはかる
ようにしていますが、このまま続けて行けば良くなるでしょうか? ひどい時は10分おきくらい
に、「足を触ったかもしれないけどその手を舐めたかもしれないけど大丈夫?」といった質問を
繰り返したり、手洗い場で「洗っても洗っても汚れてるみたいな気がする」と泣いている娘をみ
ると、早く治してあげたくて受診させたほうがいいのかと悩んでいます。

主人は自分の実家で気分転換させたら?、といいます。(主人の実家は長女びいきで行くとい
つも娘の表情が穏やかでわがまま言い放題、のびのびしています。)先生、どうか返答は遅く
ても構いません。是非アドバイスをお願いします。私自身はメールアドレスを持っていないので
主人の名前で出しています。(相談者・AK) 

【はやし浩司よりAKさんへ】

 まずAKさん、あなた自身の心が、なぜいつも緊張状態にあるかを、静かに観察してみてくだ
さい。いつもピリピリしているというようであれば、そのもとになっている、原因をさぐります。

 私の印象では、AKさん自身が、心を開けない人のように思います。他人の前に出ると、緊張
してしまうとか、(結果的に疲れやすい)、仮面をかぶってしまうとか、そういう状態ではないかと
思います。

 さらにその原因はといえば、AKさん自身の母子関係にあります。AKさんと、AKさんの母親
との関係です。AKさん自身も、子どものころ、(いい子)ぶることで、いつも自分をごまかしてい
た。現在のあなたの長女のように、です。

 で、相談の件ですが、年齢的に、つまり2歳下の弟がいるということですから、長女は、まだ
人見知り、後追いのはげしかったころ、下の弟が生まれたことになります。下の弟が生まれた
ことによって、大きな愛情の変化を感じたと思われます。対処の仕方を誤ると、赤ちゃん返りと
いう症状が生まれます。

 長女は、現在も、その(赤ちゃん返り)の流れの中にあると思ってください。

 子どもというのは、環境の変化にはたいへんタフですが、愛情の変化には、敏感に反応しま
す。親は「平等にかわいがっている」と言いますが、子どもには、そういった論理は通用しませ
ん。あなたの夫が、ある日突然、愛人を家に連れ込んできたようなばあいを、想像してみてくだ
さい。

 もうおわかりかと思いますが、長女は、慢性的な愛情飢餓状態にあると考えて対処します。
濃密なスキンシップ、添い寝、手つなぎなど、こまめに実行してみてください。ポイントは、『求め
てきたときが、与えどき』です。

 長女のほうから、スキンシップを求めてきたようなときは、すかさず、(すかさず、です)、それ
に応じてあげます。「あとでね……」「忙しいから……」は、禁句です。ほんの数分、応じてあげ
るだけで、子どもは、落ちつくはずです。

 ほかに食生活にこころがけてみてください。CA、MG、Kの多い食生活(=海産物中心の献
立)にするだけでも、かなり効果があります。(薬物に頼るのは、この時期、勧めません。)とく
にCAの多い食生活を大切にしてみてください。市販の子ども用錠剤なども、効果的です。
(薬局へ行くと、高価な錠剤を勧めますが、安いものもあります。安いのでも効果は同じです。
服用量を注意して、与えます。)
私自身も、心の緊張感がほぐれないときは、CAの錠剤をバリバリと口の中で割ってのんだりし
ています。ほかにハーブ系の錠剤をのむこともあります。

偏食、とくに白砂糖の多い食品は、避けます。(家庭では、精製してない黒砂糖を料理に使うと
よいでしょう。)

家庭生活の要(かなめ)は、子どもの側からみて、(心の休まる)環境です。
長女は、おそらく外の世界(幼稚園など)では、いい子ぶることで、自分の立場を保持している
はずです。つまりそれだけ神経疲れを起こしやすいということです。ですからその反動として、
家の中で、ぞんざいな態度、横柄な態度を見せるかもしれませんが、そこは許してやってくださ
い。
「うちの子は、外でがんばっているから、家の中ではこうなのだ」と、です。

6歳ともなると、(家)は、(しつけの場)ではなく、(憩いの場)とならなくてはいけません。疲れた
心を休める場所です。

手洗いグセについては、『暖かい無視』に心がけます。心の緊張感(わだかまり、こだわり)が
ほぐれてくれば、自然になおります。親がカリカリすればするほど、逆効果です。なお子どもの
神経症については、私のHP→(ここが子育て最前線)→(子ども診断)→(神経症)に収録して
ありますから、参考にしてください。

http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/page080.html

で、問題は、AKさん、あなた自身です。

遠くは、あなたとあなたの母親との関係にまで、原因がさかのぼります。あなた自身が、全幅
に、あなたの母親に受け入れてもらえなかった……。それが今、あなたの対人関係(もちろん
子どもに対しても)に、影響を与えています。さみしがり屋で孤独なくせに、しかし集団の中に入
っていくと、すぐ神経づかれを起こしてしまう、と。他人を信ずることができない……つまり、他
人に心を開くことができない。自分をつくってしまう。ありのままをさらけ出すことができない、な
ど。
(あるいは何かの原因で、長女を愛することができないのかもしれませんね。「長女を愛しなけ
ればならない」「しかしどうも好きになれない」と、AKさん自身が、心の中で葛藤しているという
ことも考えられます。あなた自身も、親に愛されていなかった……。その世代連鎖が、今もつづ
いている可能性も否定できません。)

ともかくも、こうした緊張感が、ちょっとしたきっかけで、爆発してしまう。長女に対して、です。

症状としては、AKさん自身が、(うつ病質)であると考えられますが、専門的な判断は、ドクター
にしてもらってください。同時にAKさん自身も、CAの多い食生活に心がけてみてください。

ほとんどの親は、子どもに、ふつうでない症状が現れると、子どもに原因を求め、子どもを治そ
うとか、直そうとか考えます。しかし子どもは、(家族の代表)でしかありません。
幸いなことに、AKさんは、今、それに気づきつつあります。つまりすでに問題は、半分以上、解
決したということです。

あとは、長女のよいところだけを見て、長女といっしょに、もう一度人生を楽しむつもりで、子育
てをすればよいでしょう。あるいはもうそろそろ長女から離れ、あなた自身が自分でしたいこと
をすべき時期に来ているかもしれません。夫の実家でめんどうをみてくれるというのですから、
そういう場をうまく利用して、あなたはあなたで、好き勝手なことをすればよいのです。

また、子どもを愛せないなら愛せないで、気負うことはありません。実際そうした母親は、7〜1
0%はいます。まず、あるがままの、自然体で、子どもに接することを大切にします。「親だから
……」と気負ってはいけないということです。(メールによれば、AKさんは、かなり親意識の強
い方のようですから……。)子どもの「友」になることだけを考えて対処します。

どうであるにせよ、症状としては、この時期、たいへん多いですから、あまり深刻に考えないこ
と。ただし環境を改善したとしても、すぐには症状は消えません。あせらないこと。チックにして
も、家庭環境が改善されても、ばあいによっては、そのあと、数年つづくこともあります。(手洗
いグセは、比較的早く、症状は消えます。)

詳しくは、「はやし浩司 神経症」「はやし浩司 手洗いグセ」で、検索してみてください。
またAKさん自身の問題は、「はやし浩司 基本的信頼関係」が、参考になると思います。

(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 
Hiroshi Hayashi 子どもの神経症 手洗いグセ)

【IKさんより】

こんにちは。
以前、疑惑症の事で、先生に相談させていただいた者です。
5歳の長男の事で相談をさせていただきました。
メールを何処に送ってよいのかわからず、、相談コーナーのこちらに送らせていただきました。
先生、ありがとうございました。
お陰様で、5歳の長男ですが、以前の元気が良く、活発な子に、戻りました。
先生がおっしゃっていましたように、スキンシップを濃厚にしたり、食事を気をつけたりしました
ら、本当に2ヶ月ほどで、よくなりました。
幼稚園も楽しいらしく、先日ありました発表会では、元気いっぱい演技もしていました。
あれほど心配しました、手洗い癖も殆どなくなり、
時々匂いを気にする事もありますが、こちらがほっておくと、すぐ気にならなくなるようですし、
手を汚したくないからと、犬食いをすることもなくなりました。幼稚園でも同様のようで、以前の
息子に戻ったと幼稚園の先生にも、言われています。
先日は、仲の良い友達をうちに連れてきたりもしていました。本当にありがとうございました。
メルマガもいつも読ませていただいています。
これからも、参考にさせていただきたいと思います。


●子どもの問題・・・子どもに関する問題 ●親子の問題・・・親子に関する問題
●家庭の問題・・・夫婦家族に関する問題 ●その他・・・その他の問題


情報・画像の出展:はやし浩司先生

※このページの文章・及び画像の著作権は「はやし浩司」様が保有しています。
当サイトでは「はやし浩司」様のご厚意により許可を得て掲載させていただいております。


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