子どもの運動について

 

子どもの運動について

幼児期の運動

運動のできる、できないは遺伝で決まるように思われがちですが、人の運動神経の発達は遺伝的な要素が大半を規定されてしまう動物とは違い、環境などの後天的要素に大きく影響を受けます。

幼児期に運動が好きになる、得意になることによって体を動かす基礎が作られ、後の運動面での発達に大きく影響します。

では幼児が運動が好きになる、得意になるにはどうしたらよいでしょうか?

幼児は基本的に楽しいことを好み、楽しいことで様々なことをぐんぐん学習していきます。

楽しく遊ぶ力が幼児の運動能力をつける基礎になるのです。

単に遊ばせるのではなく、意図的に、計画的に環境を整え(整っている環境に行く)、様々な運動の基礎となる動きを覚えさせることで楽しく、飛躍的に運動能力を伸ばしてあげることができます。

運動の基本的な要素

1、姿勢を制御する能力
体のバランス感覚や逆位感覚、回転感覚、位置感覚をつける運動をすること。

2、人や物の動きを予測して判断できる能力
人や物が動く方向やスピードを予測して自分の体をそれに対応させる能力をつける運動をすること。

3、スピードやリズムをコントロールする能力
自分の体を動かしながら、スピードやリズムなどをコントロールできる能力をつける運動をすること。

心と体の関係

幼児期の様々な運動により、自分の体を自由にコントロールできるようにし、自己表現ができるようになると将来運動能力に優れた人になるでしょう。


では運動嫌いの子どもに対してはどのように考えてあげればよいのでしょうか?


運動を嫌がっている子どもに対して強引に運動させようとすることは子どもを運動嫌いにさせる原因になります。


運動嫌いの子どもは運動に対しての自信がなく、失敗を恐れて積極的な行動に移せずにいますので、まずは「やってみよう」という気持ちを引き出してあげることが大切です。


運動が苦手の子どもに「やってみよう」という気持ちにさせるには、まず「僕(私)にもできそうだ」という見通しを持たせてあげることです。


どういう風に体を動かしたら上手くいくのかを体験させ、

「僕(私)にもできた」という自信を積み重ねることでなんでも積極的に行動できるようになっていきます。

それは日々の体験により培われるものですので、日ごろから子どもがどの位の動作ができるのかを把握し、それに合わせた運動を遊びの中に取り入れていくことで自然と運動に自信を持てるようになっていきます。

「健全な精神は健全な肉体に宿る」といいます。


健全な肉体を作るのには運動が不可欠なのです。


運動を通して得られる事は健全な精神を育てるのに 重要な役割を持っています。

心と体のバランス

昔から心と体は一体であり、とても関係の深いものであるという認識がありました。

日本の国技である柔道などでも 「心・技・体」の考えが核となっており、肉体と精神の重要な関わりを示しています。

幼児教育でも知能(IQ)、心の知能(EQ)、体の能力(PQ)の三つがバランス良く成長することで、健全で能力のある人物に成長するという考えが中心になっています。

知能の発達ばかり重要視されている傾向にありますが、運動面や心の教育もバランス良く成長させることで、人として輝く未来を切り開いていけるように考えてあげましょう。

運動に大変重要な重心感覚(中心感覚)

スポーツや運動において一流の選手は体の感覚の中に、ぶれることのない重心(体の中に感じることができる中心感覚)を持っています。

このぶれることのない重心を持つことで、どんな動きや姿勢でもバランスを崩すことなく最適な動作へ移行できます。

走ることは運動の基本ですが、走る姿勢において重心の良い人は走りも美しく、速く走ることができます。

反対に走りの中で体の重心を捉えられていない人は走り自体にブレがおこり、速く走ることができなくなります。

重心が悪いと前に進む力を効率よく足まで伝達できず、しかも姿勢が崩れ、バランスが悪くなるためにスムーズな動作ができなくなるためです。

中には体格や筋力でカバーできる人もいますが、もっと高みを目指すなら正しい姿勢を学んだほうが良いと思います。

オリンピックの短距離選手の走りなどを繰り返し見ることも良いかもしれません。

理想的な走り方(ランニングフォーム)

少し独特なフォームですが、マイケルジョンソンの走り方は分かりやすいように思います。

「ボディバランス」
この言葉も同様の意味を含んでいますが、例えば一流のサッカー選手はめったなことでは転びません。

相手にぶつかっても強いボディバランスがあれば、ミスがあってもカバーでき、チャンスがあれば決めることができます。

野球のバッティングでも、一流の選手は急な変化がある球種が来ても、重心をうまくコントロールして対応できます。

日本ではサッカーの中田選手や野球の一郎選手なども、ボディバランスが高いことで有名です。

「自然体」
よく柔道や武道などでも使用されるこの言葉は、重心の大切さを昔から理解していたことを表しています。

自然体は、字の通り自然のままに立つ姿勢を言い、力まず体の芯が通ったような姿勢をとることを指します。

この自然体は、人間の最も基本となる姿勢の中で、中心感覚を感じとれやすい姿勢です。

この中心感覚を習得することで、様々な体勢や姿勢になった時でもバランスを崩さず、相手からも崩されることがないまま自分の体勢や距離で戦うことができます。

幼児期にこの重心(体の中心感覚)を鍛えるのに最も良い運動は走ることと、器械体操やトランポリンです。

様々な感覚を鍛え、どんな体勢でも重心を捉えなければいけないこの運動は大変お勧めです。


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