「生きることを原点に」 はやし浩司先生の育児・教育指導
リチャード・マクドナルドという人がいた。
10年ほど前に89歳でなくなったが、あのハンバーガーチェーンの「マクドナルド」の創始者と言えば、だれでも知っている。が、当のマクドナルド氏自身は、早い時期にレストランの権利を別の人物に売り渡している。
それについて生前、テレビのレポーターが、「損をしたと思いませんか」と聞いたときのこと。
マクドナルド氏はこう答えている。「もしあのまま会社に残っていたら、今ごろはニューヨークのオフィスで、弁護士や会計士に囲まれてつまらない生活をしていることでしょう。(こういう農場でのんびり暮らしている)今のほうが、ずっと幸せです」と。
話は大きくそれるが、私には3人の息子がいるが、そのうちの2人をあやうく海でなくしかけたことがある。
とくに二男は助かったのが奇跡としか言いようがない。
そんなこともあって、私は二男に何か問題があるたびに、「こいつは生きていてくれるだけでいい」と思いなおすことで、それらの問題を乗り越えることができた。
生きることを原点にしてものを考えるということは、そういうことをいう。
私はマクドナルド氏の話を聞いて、大きな衝撃を受けた。
日本人には信じられないような生き方だが、アメリカやオーストラリアでは珍しくない。
私の友人のピーター君も、宝石加工会社をおこし、40数歳の若さで「輸出高ナンバーワン」で、オーストラリア政府から表彰されている。
しかしそののちまもなく権利を売り渡し、今はシドニー郊外で悠悠自適の隠居生活を楽しんでいる。
ほかにもこういう例は多い。
よく知られた人物としては、ジェームズ・ルービン報道官がいる。
彼は妻の出産を理由に、ホワイトハウスの報道官を退任。今はロンドン郊外で「主夫業」(報道)をしている。
ものの考え方というのは相対的なものである。
日本人が「あれっ!」と思うということがあれば、ちょうどその反対のことで、彼らもまた同じように、「あれっ」と思うもの。
アメリカ人やオーストラリア人にしてみれば、日本人の生き方のほうが奇異に見えることだって多い。
……いや、だからといって日本人の生き方がまちがっているというのではない。
日本人は日本人で、今、精一杯がんばっている。
こういう生き方しかできないといえば、それはし方ないことだ。
しかし心の基本が、どこにあるかで生き方そのものも変わってくる。ものの考え方も変わってくる。
もちろん子育てのし方も変わってくる。
仕事は大切だ。
名誉も地位も肩書きも大切だ。しかしそれは決して世界の常識ではない。世界の常識は、もう少し違った位置にある。
要は、生きる本分を忘れないということ。
忘れると、世界から日本はいつも奇異な目で見られる。
個人について言えば、結局は自分の人生をムダにすることになる。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー4
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。