「子どもは環境で包む」 はやし浩司先生の育児・教育指導
私はときどき、たとえば小学5、6年生の子どもを、中学生のクラスに座らせて勉強させることがある。
何かを教えるのではなく、「好きな勉強をしなさい。本読みでも、宿題でもいい」と言って、子どもの自由に任せる。(クラスといっても、私のばあいは、一クラス、5〜6名の小さなクラスだが……。)この方法は、下の子どもが上の子どもの勉強グセを受け継ぐには、たいへん効果的である。
週一回程度でも、数か月もすると、下の子どもは上の子どもを見習って、黙々と勉強するようになる。
実際、私はこの方法で、ツッパリ始めた子どもをなおしたこともあるし、騒々しくて落ち着かない子どもをなおしたことがある。
それはそれとして、子どもを指導したいと考えたら、環境で包む。……包むことを考える。
釣り好きの親の子どもは、釣りが好きになる。
読書好きの親の子どもは、読書が好きになる。
社交的な親の子どもは社交的になる。しかし押しつけはいけない。
親が本を読まないのに、「うちの子はどうして本を読まないでしょう」は、ない。
子どもというのはそういうもので、親の考え方や感じ方をそのまま受け継いでしまう。
たとえば今あなたが、「男なんてつまらないもの」とか、「うちの夫はだらしない」などと思っていると、あなたの娘もそう思うようになる。
これは一つのテストだが、こんなことをしてみると、親子の密着度を知ることができる。
紙と鉛筆を用意し、まずあなたが山、川、木を二本、家、雲、太陽を描いてみる。
そしてその絵をどこかへ隠し、つぎに子どもに、同じように山、川、木を二本、家、雲、太陽を描かせてみる。
子どもの絵ができあがったら、あなたの絵と見比べてみる。
親子の密着度が高い親子ほど、実によく似た絵をかく。年長児で30組に1組は、ほとんど同じ絵を描く。
子どもに何かをさせようと思ったら、まず自分でしてみる。環境で包む。
そういう姿が、子どもを前向きに伸ばす。ただし一言。
あなたが努力しても、子どもがそれに乗ってこなければ、それはそれでおしまい。
あのレオナルド・ダ・ビンチもこう言っている。『食欲がない時に食べれば、健康をそこなうように、意欲をともなわない勉強は、記憶をそこない、また記憶されない』と。
何ごとも無理強いは禁物。
子どもというのは、親の期待を一枚ずつ剥ぎ取りながら成長するもの。そういう前提で、子育てを考えること。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー3
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。