「子どもの耳は長い」 はやし浩司先生の育児・教育指導
イギリスの格言に『子どもの耳は長い』というのがある。
もともとの意味は、子どもというのは、耳がよい。
親の会話などでも、聞いていないようで聞いてしまう。
だから子どもの近くでは、めったな話を軽率にしてはいけないという意味だが、私ははじめてこの格言を知ったとき、別の意味に考えた。
子どもというのは、親が説教しても、その説教の内容が理解できるようになるまでに時間がかかる。
たとえば子どもが母親のサイフからお金を盗んで使ったとする。
そういうとき親は、それが悪いことだと子どもに教えるが、子どもがそれが悪いことだと本当に理解するようになるまでには、しばらく時間がかかる。
親があせって早く理解させようとしてもムダ。
強く叱ったり怒ったりすれば、一応しおらしい顔で、反省しているかのような様子を見せることもあるが、わかっていてそうしているのではない。こわいからそうしているだけ。
叱られじょうずな子どもほど、叱られ方がうまい。このタイプの子どもは、叱る割には効果はない。
親は言うべきことを繰り返し言いながらも、あとはそれが子どもの脳に届くまで、待つ。ただひたすら待つ。そういう意味で、『子どもの耳は長い』と。
子どもを指導するというのは、まさに根気との勝負。
イライラしたら負け。怒ったり、怒鳴ったりしたら負け。
子どもが親のリズムに合わせることができない以上、親が子どものリズムに合わせるしかない。
親と子どもは平等ではあっても、決して対等ではない。
親は絶対的な「強者」であるのに対して、子どもは絶対的な「弱者」。
強者は弱者に対して、どこまでも謙虚でなければならない。それに親が絶対的に正義ということも、ありえないのだ。
……とまあ、少し難しい話になってしまったが、要するに、「しょせん相手は子ども」というおおらかさが、子どもを伸ばす。
善悪の判断もそれで身につく。まずいのは一方的に、ガンガンと親の価値観を子どもに押しつけるような行為。子どもは自分で考える力そのものをなくしてしまう。
そうなると、子どもはますます常識ハズレになり、もっと大きな失敗を繰り返すようになる。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー3
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。