「親のうしろ姿は見せない」 はやし浩司先生の育児・教育指導
子育てのために苦労している姿。生活のために苦労している姿。
そういうのを、この日本では、「親のうしろ姿」という。
こうしたうしろ姿は、親が見せたくなくても、子どもは見てしまうものだが、しかしそれを子どもに押し売りしてはいけない。
よい例が、窪田聡という人が作詞した、「かあさんの歌」である。
「♪かあさんは夜なべをして、手袋編んでくれた……」というあの歌である。しかしあの歌ほど、恩着せがましく、お涙ちょうだいの歌はない。そういう歌が、日本の名曲になっているところに、日本の子育ての問題点が隠されている。
ちなみに、歌詞は、3番まであるが、3、4行目は、かっこつきになっている。
つまりその部分は、母からの手紙の引用ということになっている。
「♪木枯らし吹いちゃ、冷たかろうて、せっせと編んだだよ」「♪おとうは土間で、ワラ打ち仕事。お前もがんばれよ」「♪根雪も溶けりゃ、もうすぐ春だで。畑が待っているよ」と。
あなたが息子であるにせよ、娘であるにせよ、親からこんな手紙をもらったら、それこそ羽ばたける羽もはばたけなくなってしまう。
たとえそうであっても、親が子どもに手紙を書くとしたら、「村祭りに行ったら、手袋を売っていたから、買って送るよ」「おとうは居間で俳句づくり。新聞にもときどき、載るよ」「春になったら、みんなで温泉に行ってくるからね」である。
日本人は無意識のうちにも、子どもに、「産んでやった」とか「育ててやった」とか言って、恩を着せる。
子どもは子どもで、「産んでもらった」とか「育ててもらった」とか言って、恩を着せられる。
そしてそういう関係の中から、日本独特の親意識が生まれ、親孝行論が生まれる。
しかし子どもが親のために犠牲になる姿など、美徳でも何でもない。
いわんや親がそれを子どもに求めたり、期待してはいけない。
親は親で、自分の人生を前向きに生きる。
そしてそういう姿を見て、子どもは子どもの人生を前向きに生きる。親子といえども、その関係は、1人の人間対1人の人間の関係である。
一見冷たい人間関係に見えるかもしれないが、1人の人間として互いに認めあう。
それが真の親子関係の基本である。
あのイギリスのバートランド・ラッセル(イギリス・ノーベル文学賞受賞者、哲学者)もこう言っている。
「子どもたちに尊敬されると同時に、子どもたちを尊敬し、必要なだけの訓練は施すけれども、決して限度を超えないことを知っている、そんな両親のみが、家族の真の喜びを与えられる」と。
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。