「じゅうぶんな睡眠時間を」 はやし浩司先生の育児・教育指導
目をさましてから起きあがるまでの時間には、特別の意味がある。
この時間、人間の心はもっとも静かな「時」を迎える。雑念や俗念、不安や心配、さらには恐怖や妄想から解放される。
つまりこの時間、自分の「原点」をそこで見つめることができる。もっと言えば、その人がもっともその人らしくなる……。
パスカルは『思考が人間の偉大さをなす』(パンセ)と書いている。
つまり考えるから人間は人間である、と。言いかえると、考えるかどうかで、その人の「質」が決まる。
知識や知恵ではない。技術や肩書きでもない。反対に考えない人間がどうなるか。
その例というわけではないが、深夜のバラエティ番組に出てくる若者たちを見ればそれがわかる。
実に「軽い」。軽すぎて、「これが同じ人間か」とさえ思うときがある。自ら考える習慣のない人間は、そうなる。
子どもに考えさせる習慣を身につけさせるもっともよい方法は、子どもがひとり、静かに自分の時を過ごせるような時間と場所を用意することである。
総じてみれば日本人は、集団教育のし過ぎ(……され過ぎ)。
一人で静かに考えるという習慣そのものもないし、その価値を認めない。
子どもが机に向かってひとりぼんやりしていたとすると、親や先生は、「何、しているんだ!」と、それを叱る。
しかし大切なことは、「自分で考えること」だ。
子どもがあれこれ自分で考える様子を見せたら、そっとしておいてあげる。
で、その一つの方法というわけではないが、子どもが目をさましてから、起きあがるまでの時間を大切にする。そういう意味でも、静かな目覚めを大切にする。
またそのためにも、睡眠時間はたっぷりととる。
まずいのは、「もう起きなさい!」と、まだ眠気まなこの子どもを、床の中から引きずり出すような行為。
子どもが静かにものを考えることができる、せっかくの時間そのものを奪ってしまう。
前回と今回は、子どもの睡眠について考えてみたが、もう少し子どもの睡眠には、親は慎重であってもよいのではないか。
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。